
映画『ドリーム・シナリオ』レビュー|夢に現れる男が映すキャンセル社会の不条理
平凡な大学教授ポール・マシューズ(ニコラス・ケイジ)は、ある日突然、何百万人もの人々の夢の中に一斉に現れるという不可思議な現象の中心人物となる。 一夜にして“夢の中の有名人”となったポールを待ち受けていたのは、名声と狂気、そして社会の冷たい現実だった。 まるで『世にも奇妙な物語』のような不条理さと、哀しき男の物語が交錯する。 ……そして、思わず夢の中のあの奇妙な歩き方をマネしたくなる(笑)。
たくさんの「いいね」ありがとう!
70
- 作成日時:
- 2025/11/19 21:28
- 更新日時:
- 2025/11/19 21:29
ドリーム・シナリオ
- 制作年:
- 2023年
不可思議な現象の中心人物として、徐々に人気者となるポール(ニコラス・ケイジ)。 発端は謎に包まれているが、物語の根底には“キャンセルカルチャー”と、それによって翻弄される人々への鋭い視点があるように感じた。 一見ファンタジックで風変わりな設定の中に、現代社会の生々しい問題がしっかりと息づく。 夢に現れるポールの存在感も強烈。 独特な頭髪と髭、そしてどこか憂いを帯びた表情——ただそこにいるだけで視線を引きつける。 やはりニコラス・ケイジはパワフルで唯一無二の俳優だなぁと改めて感じる。 しかし、「終身教授」という安定した地位がもたらすプライドゆえか、ポールは次第に「譲れない男」となっていく。 その尊大さがやがて悲劇を生むのが切ない。 彼の行動には理解できる部分もあるだけに、そして愛する家族がいるだけに、「どうかこれが悪い夢であってほしい」と願わずにはいられなかった。 終盤、まったく新しい世間の反応の変化には、少し置いていかれたような感覚も……?あの奇妙なデバイスのデザインには思わず苦笑してしまった。 ニコラス・ケイジの演技の幅広さを堪能できる一本であり、観終えた後にじんわりと哀しさが残る。 画の質感もどこかヨーロッパ映画のようで、この独特な世界観にぴたりとマッチしていた。






