
『TOKYOタクシー』公開!おすすめ山田洋次流ロードムービー3選
11月21日(金)より公開中の映画『TOKYOタクシー』を鑑賞。倍賞千恵子、木村拓哉共演で送る山田洋次監督の最新作は、フランス映画『パリタクシー』を原作としながら、山田監督ならではの人と人の間に流れる「情」に重きを置いた作品だった。 個人タクシーの運転手・宇佐美浩二(木村拓哉)の車に乗り込むのは、家を引き払い、終の棲家となる老人ホームへと向かう老婦人・高野すみれ(倍賞千恵子)。「生まれ育った東京の思い出の場所を巡りたい」というすみれの願いに応え、二人は東京の街を走り出す。車窓の景色が移ろうごとに、すみれの人生が静かに語られていく──。 一見、ポスタービジュアルの印象どおり軽やかなハートウォーミング作のようでいて、マダム・すみれの人生は実に壮絶。その人生の記憶が物語に厚みを与え、作品全体のトーンを深く染め上げていた。 2人の出会いが柴又から始まる物語には『男はつらいよ』を思わせる郷愁が漂い、監督おなじみの俳優陣も顔をそろえる。フランス映画を下敷きにしながらも、これはまぎれもなく“山田洋次”だと感じさせる仕上がりだった。 実は、山田洋次監督はこれまでも『TOKYOタクシー』のように、登場人物が旅の道程(ロード)を通して成長や変化を遂げる「ロードムービー」を多く手がけてきた。今回は、その中から特におすすめしたい山田洋次流ロードムービーの3本をご紹介。 ■おすすめしている作品 『幸せの黄色いハンカチ』 『学校II』 『男はつらいよ 寅次郎相合い傘』 編集者:Koji
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- 作成日時:
- 2025/11/23 12:13
幸福の黄色いハンカチ
失恋した青年・花田欽也(武田鉄矢)は、北海道の旅先で気ままなOL・朱美(桃井かおり)と出会い、流れでドライブ旅行に出る。途中、出所したばかりの中年男・島勇作(高倉健)をヒッチハイクで車に乗せることに。無口でどこか影を落とす勇作は、かつての罪と過去の妻・光枝(倍賞千恵子)への想いを胸に抱えていた。広大な北の大地を走る三人の旅は、次第にそれぞれの心の傷を映し出し、人生の再出発を予感させる時間へと変わっていく──。 広大な北海道の風景を背景に、3人の心の距離が少しずつ縮まっていく過程が温かく描かれる。 高倉健の不器用な優しさ、桃井かおりの奔放さ、武田鉄矢の若さの魅力でクライマックスの感動へと突き進む。山田洋次監督が“人が生きることの赦しと再生”をテーマに描いた、日本映画史に残るロードムービーです。
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幸福の黄色いハンカチの★評価を入力する学校II
北海道の養護学校を舞台に、教師・青山(西田敏行)は、生徒一人ひとりの心に寄り添いながら、静かに向き合う日々を送っている。 卒業を間近に控えた高志(吉岡秀隆)と佑矢(神戸浩)が、ある日「買い物に行く」と言い残して寮を出たまま戻らない。青山は若き教師・小林(永瀬正敏)とともに、二人を探して車を走らせるのだが──。 前作『学校』から舞台を変えた本作にも、山田洋次監督が一貫して描いてきた「学ぶこと」「生きること」の尊さが息づいている。 『学校II』では、行方を追う旅の道中で出会う人々や、生徒たちの小さな成長の瞬間が、観る者の胸に静かな感動を呼び起こす。 どこまでも現実に根差した物語として、人生のかけがえのなさをそっと照らす“人間賛歌”の一本である。
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学校IIの★評価を入力する男はつらいよ 寅次郎相合い傘
『男はつらいよ』シリーズは、寅さんが「旅商売」を生業にしているだけに、どの作品もロードムービーの要素を色濃く持っている。その中でも、個人的に特に好きなのが、この『寅次郎相合い傘』に描かれる“三人旅”だ。 旅の途中で寅さん(渥美清)が出会うのは、家出中のサラリーマン・パパさん(船越英二)。そして、偶然旅先の屋台で再会するリリー(浅丘ルリ子)。この三人が、パパさんのかつての恋人の元へ向かいながら商売をしていくという展開が、なんとも味わい深い。特に、駅で一夜を明かしたパパさんが、朝にパジャマ姿で歯を磨くシーン。飄々としながらも中年サラリーマン像を軽やかに演じる船越英二がとても印象的だった。 また、寅さんとリリーの関係にも微妙な変化が訪れ、男女の機微を丁寧に描くドラマとしても見応えあり。 そして何より、シリーズファンにはおなじみの“メロン騒動”が登場する作品でもあり、『男はつらいよ』の中でも見逃せない一作だと言える。
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