
映画『パリタクシー』感想│映画2本観たかのような満足感の90分映画
金、仕事、家族——。思うようにいかない人生に「詰んだ」と嘆くこともなく、なんとか踏ん張って生きている中年タクシー運転手のシャルル。 そんな彼の車に乗り込んだのは、家を引き払い、これから終の棲家となる老人ホームへ向かう92歳の女性・マドレーヌだった。 出会いの時、金策に頭を悩ませていたシャルルは終始イライラ気味。だが、マイペースなマドレーヌはそんな空気を意に介さず、少しずつ自分の人生を語り始める——。
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- 作成日時:
- 2025/11/23 17:27
パリタクシー
ポスタービジュアルから軽やかなロードムービーを想像していたが、語られるマドレーヌの人生は想像以上に波乱万丈で、思わず息をのむほど。 いつしかシャルルも彼女の物語に引き込まれ、イライラなどどこかへ消えてしまう。 何よりも印象的なのは、マドレーヌを演じたリーヌ・ルノーの存在感。 華やかでチャーミング、そして人生の重みを感じさせるその佇まいに、シャルルがミラー越しに彼女を思い出すのも納得。 一方で、主人公シャルルを演じるダニー・ブーンの演技もイイ。 粗野な外見の裏に繊細さと諦めきれない希望を滲ませ、中年男の悲哀をリアルに体現。 また、マドレーヌの過去パートがまるで別の映画のようなテイストで描かれており、全編90分という短尺ながらも深い余韻と見応えを生み出している。 軽やかさの中に人生の痛みと希望が同居するロードムービー。
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