
『ザ・ロイヤルファミリー』レビュー|JRA協力の本気レースと有馬記念の魅力
JRA全面協力のもと、毎回“本気のレース”を物語の中核に据えるという贅沢さに、まず拍手を送りたくなるドラマだった。 単なる題材として競馬を借りるのではなく、その緊張感や高揚を真正面からドラマに落とし込み、観る者の拳を自然と握らせる。 この作品を通して、有馬記念というレースが、これまで以上に特別なものとして胸に刻まれた――そんな体験をさせてくれた一本だ。
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- 作成日時:
- 2025/12/27 17:11
ザ・ロイヤルファミリー
TBS日曜劇場『ザ・ロイヤルファミリー』は、競馬という題材を軸にしながら、「情熱」「継承」「人と人の関係性」を真正面から描いた、非常に熱量の高いドラマだった。 脚本が喜安浩平と知って腑に落ちる、生っぽくて時に不器用なセリフ回しが全編に通底しており、登場人物たちの感情がむき出しでぶつかってくる。 その中心にいるのが栗須(妻夫木聡)。彼の何度となく見せる男泣きは、回を追うごとに物語の重みを背負い、観る側の感情も否応なく揺さぶってくる。 物語の推進力として何より印象的なのは、レースシーンの高揚感。 思わず拳を握り、「いけー!」と声を出したくなるクライマックスが何度も訪れる贅沢さは、日曜劇場らしさの真骨頂だ。 一方で、ラーチャセットを食べながらの「承知できません」(第2話の好きなところ)や、高級天ぷら屋の山王社長と定食屋の栗須の対比のように、ふと力が抜けるユーモアも心地よい。 そしてこのドラマを語るうえで個人的に欠かせないのが、山王耕造(佐藤浩市)と椎名(沢村一樹)という二人の社長の存在。 ヤクザの親分のような語り口がクセになる山王と、彼を静かに意識し続ける椎名。 椎名の「何かを心から楽しんでいる人といると、こちらの孤独が癒える」という言葉に象徴されるように、この二人の関係性は、勝敗やビジネスを超えた“人としてのつながり”を感じさせ、作品の大きな感情の支柱になっていた。 後半は「継承」というテーマがより色濃くなり、親から子へ、先代から次世代へと受け渡されるものの重さが描かれていく。 山王社長の血をひく耕一(目黒連)の実直でクールな強さと椎名ジュニア(中川大志)の生意気さの中にある魅力や、次世代を担う若者たちの存在も、物語に新たな熱を加えていた。 最終話では、シンプルな熱血展開を予想していたところを、良い意味で裏切る構成に興奮させられる。推しである椎名社長が大きく活躍しつつ、最後の最後まで山王社長が物語の中心に“生きている”感覚を残した締めくくりは見事だった。 観終わったあとに残るのは、熱さと満腹感、そしてなぜか天ぷらとジンギスカンとビールが無性に恋しくなる余韻。 『ザ・ロイヤルファミリー』は、情熱を受け継ぐことの尊さと、人が本気で生きる姿の眩しさを、全力で描き切った日曜劇場だった。
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