
『ミッキー17』レビュー|ポン・ジュノが描く異色ハリウッドSFの新境地
ポン・ジュノ監督作『ミッキー17』は、作家性を抑えた異色のハリウッドSF。ロバート・パティンソンの語りと強烈な権力者像が際立つ快作!
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- 作成日時:
- 2026/01/14 18:06
ミッキー17
『パラサイト 半地下の家族』で世界的評価を確立したポン・ジュノ監督の最新作『ミッキー17』。 ポン・ジュノ作品は、韓国で撮られた作品と、ハリウッド資本で制作された『スノーピアサー』『オクジャ』などとでは、鑑賞後の印象が大きく異なる監督だと感じている。 個人的には、ハリウッド作品のポン・ジュノ映画は、見終わったあとに俳優の存在感が強く残るというよりも、「またポン・ジュノが新しいタイプの映画を作ったな」という作家性への感嘆が先に立つことが多かった。そのため、やはりポン・ジュノの真骨頂は韓国作品にある、という印象を持っていた。 しかし本作『ミッキー17』は少し違う。ロバート・パティンソンのモノローグが多用されていることもあり、ポン・ジュノらしさが前面に出るというより、「世にも奇妙なハリウッドSF」として素直に楽しめた。良い意味で監督の色が強く主張しすぎず、作品世界そのものに没入できた点が新鮮だった。もっとも、ブラックユーモアの効いたトーンには、しっかりとポン・ジュノ節も炸裂しているのだが。 マーク・ラファロとトニ・コレットが演じる権力者夫婦の存在感は非常に強烈だ。振り返ってみると、『スノーピアサー』や『オクジャ』でも、支配する側・権力側には印象的なベテランのハリウッド俳優が配置されていた。権力への抵抗や、そこからの逃走こそが、ポン・ジュノのハリウッド作品に共通するテーマなのかもしれない、と改めて感じさせられる。 さらに、本作を含めて考えると、ポン・ジュノは相当な“クリーチャー好き”なのではないかとも思う。『グエムル −漢江の怪物−』『オクジャ』、そして『ミッキー17』と、人間に敵対するか否かを問わず、大型の生物が物語の核を担う作品を定期的に撮り続けている。これもまた、彼の揺るぎない作家性の一つと言えるだろう。
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