
NHK『テミスの不確かな法廷』が今クール1番面白いかもしれない(各話の感想)
松山ケンイチ主演のNHKドラマ『テミスの不確かな法廷』が想像以上に面白い。 映画的な映像、隙のないキャスティング、誠実に問いを重ねる裁判劇は見逃し厳禁。
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- 作成日時:
- 2026/01/27 23:34
- 更新日時:
- 2026/03/10 23:39
テミスの不確かな法廷
■第1話「裁判官忌避」 松山ケンイチの「やってしまった……」という瞬間の表情が、とにかくチャーミング。 そして脇を固める俳優陣の盤石さよ。初回から安心感がすごい。 『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』が好きな人には、かなり刺さると思う。 『あんぱん』新聞社編で一気にファンになった鳴海唯が、物語のキーパーソンなのも嬉しいポイント。 「分からないことを分からないと、分からないことは分かりません」 このスタンスで物語を進めていくのだろう。先が楽しみになる初回だった。 ■第2話「真実義務と誠実義務」 鳴海唯は『あんぱん』に続き、飲んだくれシーンがやっぱり巧い。 被告人役は『ちはやふる ~めぐり~』の与野先輩。かるた部のイメージとはまるで違っていて、いい意味で裏切られた。 それにしても、キャスティングに抜け目がない。 毎話「この人をここに置くか!」という納得感がある。 ■第3話「裁判官の資質」 安堂が抱える発達障害という背景に、最もフォーカスが当たった回。 同僚たちにカミングアウトするかどうか迷う安堂は、上司・門倉が訴訟指揮を執る裁判で、致命的なミスを犯してしまう。 裁判官としての自分と向き合う安堂。 その一方で、裁判はどんどんきな臭い方向へ――。 ラストで新たな情報をぶっ込んできたのには驚いたが、裁判そのものは次回へ持ち越し。 安堂が自分らしさを取り戻してくれることを、ただ願う。 ■第4話「伝説の反逆児」 第3話から第4話への流れが、とにかく見応え抜群。 「もしかしたら今クールで一番いいかもしれない」――そう本気で思った回だ。 持ち越された裁判を前に、門倉(遠藤憲一)は同期で法務省のお偉方(矢島健一)から「悪目立ちするな」と釘を刺される。 安堂流で「室外機連続窃盗事件」を担当する場面が、面白すぎる。 まさかこの事件が本筋に絡んでくるとは……。 今回は遠藤憲一にしっかりスポットが当たり、裁判も実にロックだった。「しかるべく」もイイ。 遠藤憲一と矢島健一が並ぶと『金融腐蝕列島 呪縛』を思い出す。 ……ん?松山ケンイチも入れたら、トリプルケンイチじゃないか! ■第5話「書証主義と人証主義」 執行官による強制退去――現実の事件と重なる描写があり、思わず身構えてしまう回。 今回は落合裁判官(垣松祐里)がメイン。彼女の存在感が物語をぐっと引き締める。 スアン(ベトナム語で「春」)という名前とは裏腹に、少女の背負ってきた背景は過酷そのもの。 外国人労働者に対する法の在りかた含め、なかなか心を削られるエピソードではあるが、それでも安堂裁判官、そして彼に影響を受けた人々の行動が一筋の光となり、観後感は不思議と清々しい。 ……とはいえ、次はいよいよシリーズ屈指の重さを予感させるエピソード。覚悟がいる。 ■第6話「再審請求審」 覚悟はしていたけど、前橋の事件のあらましはかなりヘビー……これは生ぬるい展開は許せませんぜ。 といっても裁判官、検事、弁護側とこれまで安堂清春(松山ケンイチ)と関わった面々の佇まいを観ていると安心して観られる。 ■第7話「裁判所主導の職権主義」 これはなかなかに凄いエピソード。 これまで丁寧に積み上げてきたキャラクターたちの魅力が、最大の事件解決に向けて一気に動き出す。 一見無関係に思えた事件が、実は――という構図自体は決して珍しくない。 しかし、そこに確かな説得力とエンタメ性を唸らされる形で提示してくる。 そしてラストには、さらなる衝撃。 最終回直前に高水準のエピソードをぶつけてくるとは。 ■第8話「向き合う覚悟」 前橋一家殺人事件の真相は、法曹界の闇につながっていたーー。 再審請求裁判での安堂清春(松山ケンイチ)裁判官の話が、胸に迫る。 サブタイトルのもなっている「向き合う覚悟」を持つ者になるための話だった。
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