
『十一人の賊軍』レビュー|団結しない決死隊が生む異色の時代劇
団結しきれない決死隊の生々しさと、重厚な殺陣と爆発が光る骨太時代劇。
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- 作成日時:
- 2026/02/06 18:08
十一人の賊軍
この手の物語は、各キャラのスキル披露や、緻密な作戦の応酬が見どころになりがちだ。 でも『十一人の賊軍』が面白いのは、そこじゃない。 最初から団結している決死隊ではない。 命の危険が迫るにつれて、少しずつ闘う理由が芽生えていく。 ただし、最後まで完全に一枚岩にはならない。 裏切りもあるし、嘘もある。その不安定さがずっと画面に漂っていて、生々しい緊張感が途切れない。これが本作最大の魅力だと思う。 もちろん、見せ場もきっちりある。 達人はちゃんと強いし(本山力がとにかくすんばらしい)、官軍の砲弾や賊軍の爆弾も「当たったら終わり」な威力で描かれる。血も爆発も遠慮がなく、時代劇としての手触りがかなりリアルだ。 砦での攻防とは別に、家老役・阿部サダヲを中心とした同盟軍との駆け引きも見応え十分。 戦場の外でも、緊張感がしっかり続くのがいい。 それにしても、時代劇って声がいい人は得してる気がしないだろうか。 尾上右近、松角洋平、そしてナダル。 ナダルは「セリフ大丈夫か……?」という別ベクトルの緊張感を生んでいたけど、意外とハマっていて笑った。 終盤、武士の矜持を見せる仲野大賀と、覚悟を決めきった山田孝之が本当に素晴らしい。 この二人の存在感を見れば、ダブル主演という座りの良さにも納得できる。 まったく関係ないけど、『拾われた男』の原作者・松尾諭と主演・仲野大賀が、ここでは決死隊として共演していると後から気づいて、ちょっとニヤっとした。 155分、生首多め。 長さを感じさせない、しっかり“痛くて重い”時代劇だった。
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