
映画コメンテーター加藤るみが選ぶ!【2025年公開オススメ映画3選】
2025年公開作の中から、いま観ておきたい注目映画をピックアップ! 2025年は『国宝』『鬼滅』といった邦画の大ヒットが続いた"邦画当たり年"。日本で洋画離れが深刻化するものの、『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』の総合トップ10圏内ランクインや、年末には『ズートピア2』の追い上げもあって、徐々に洋画再興の兆しも感じられる一年となった。 かつて洋画シェアが約7割を占めていた2000年代の黄金期が、もう一度戻ってきてほしい…。そんな思いを込めて、物心ついた頃から洋画に魅了され、“洋画に育てられた”と言っても過言ではない私がセレクトする洋画3選。 伝説のレーサーの復帰、死と向き合う女性の物語、美と若さに翻弄される元トップ女優──。 それぞれジャンルも物語も異なるが、「人生をどう生きるか」というテーマが通底している。 ~執筆者紹介~ 加藤るみ[タレント/映画コメンテーター] アイドルグループSKE48卒業。年に約250本の映画を鑑賞する映画フリークとして活動。 イベントMCやインタビュー、BRUTUS映画特集、ラジオ大阪での隔週映画紹介、サンテレビ『正月映画大百科』、大阪アジアン映画祭MCなど、関西を拠点に映画コメンテーターとして活躍。 新作映画へのコメント寄稿も多数。
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- 作成日時:
- 2026/02/13 05:28
F1®/エフワン
かつて、伝説と呼ばれた天才F1レーサー・ソニーが現役復帰を果たす。 若きドライバーを導くためチームに戻った彼は、再び命がけのサーキットに身を投じていく──。 近年は、自身が設立した映画制作会社「PLAN B」を拠点にプロデューサーとしての存在感を高めてきたブラッド・ピット。『それでも夜は明ける』や『ムーンライト』など、アカデミー賞作品賞に輝いた作品をはじめ、映画ファンの心をくすぐる良質な映画を数多く世に送り出している。 そんな彼が主演としてスクリーンの中心に立つ姿は、カムバックする“伝説のレーサー”の姿と重なり、ソニーという役に俳優としての円熟が刻まれていると感じた。 結果として、本作はブラッド・ピット主演作の中でも屈指の興行成績を記録しているのも納得。THEブラピを堪能するには間違いない一本で、ドラマパートでは、昭和の空気を感じさせるギラついたキスシーンや、少年のように無邪気に笑うブラピ(61歳)が楽しめる。 そして途中から、「自分、ブラピを支えます。支えさせてください。」と言いたくなるような、謎の守りたさが芽生えてくるのも不思議だ。衰えを知らないハリウッドのビッグスターの魅力に、気づけば取り憑かれてしまう一本。
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F1®/エフワンの★評価を入力するザ・ルーム・ネクスト・ドア
重病を患い余命宣告を受けたジャーナリストのマーサが、古い友人で作家のイングリッドと再会する。 安楽死を望むマーサは、最期のときにそばにいてほしいとイングリッドに頼むのだが──。 名優ティルダ・スウィントンとジュリアン・ムーアが織りなす、これほどになく静かで優美な人間ドラマ。 “死”と向き合う物語ではある。けれど、決して重すぎない。それは、死が誰にでも訪れるものであり、特別な誰かの話ではないからだ。 主人公マーサ(ティルダ・スウィントン)が自身の人生を振り返りながら、丁寧に、丁寧に自己理解を深めていく。その過程が驚くほど自然で、観る側の感情にもスッと入り込んでくる。 これは、“死”の物語であると同時に、“どう生きてきたか”を見つめる物語でもある。 ティルダとジュリアンは、現実には存在しないような美しさをまとい、30歳の私にとって「こんな歳の重ね方をしたい」と願わせるロールモデルとなった。 そして、ヴィヴィッドな色彩を放つ大人の装いと、二人が佇む空間にビシッと馴染むハイセンスなインテリアは、まさに眼福としか言いようがない。
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一世を風靡した元トップ女優エリザベス。50歳を過ぎ、仕事を失った彼女は、ある新たな再生治療に手を出してしまう──。 2025年のアカデミー賞で、本作のデミ・ムーアが主演女優賞にノミネートされながら受賞を逃したことも、大きな話題となったのが記憶に新しい。 ルッキズムという言葉が世の中に浸透したことで、むしろその価値観が加速しているようにも感じる今日この頃。 14歳からアイドルとして活動してきた私にとって、容姿を評価され続ける芸能界という場所は、一般社会以上に“美”と“若さ”へ固執してしまう構造があるのも理解できてしまう。 けれど、言葉を放つ前に一度立ち止まってほしい。その一言で傷つく人がいるかもしれない。時に、言葉は凶器となる。 物語の中では、番組プロデューサー(デニス・クエイド)がエリザベスの容姿を品定めするような場面がある。 くちゃくちゃと音を立てながら、エビを食べるその姿は、まるでこの世の醜さを凝縮したよう。「人の振り見て我が振り直せ」という言葉が妙にしっくりくるのだ。 (犬を愛でていた頃のデニス・クエイドはいずこへ……。) 言葉の呪縛は心を縛りつけ、トラウマとなって長く残り続ける。 ルッキズムの加速と比例するかのような、衝撃的な映像体験を味わえる。 ホラー映画であることは前提として、どこか『シャイニング』的な“顔芸コメディ”とも言える側面があり、恐ろしさと可笑しさが表裏一体で共存している作品だ。
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