• Rakuten PLAY
『レッド・ツェッペリン:ビカミング』から始める世界3大ギタリストのドキュメンタリー

『レッド・ツェッペリン:ビカミング』から始める世界3大ギタリストのドキュメンタリー

『レッド・ツェッペリン:ビカミング』がデジタル配信中だ。 北米IMAXで音楽映画史上最高のオープニングを記録し、日本でも興収2億円を突破の大ヒットを記録したこの作品は伝説的バンド『レッド・ツェッペリン』初の“公認”ドキュメンタリーである。そもそも、インタビュー取材もテレビ番組での演奏も拒んでいたバンドであり、映像素材そのものが貴重であったが、リーダーであるジミー・ペイジが本作で当時を語ったことで世界3大ギタリストのドキュメンタリー映画が3本揃った。 本作を起点に、3人のギタリスト──ジミー・ペイジ、ジェフ・ベック、エリック・クラプトン──のドキュメンタリーを巡る旅を提案したい。3人はいずれもヤードバーズという同じバンドを通過しており、その系譜はロックが生まれる音楽の進化そのものだ。 執筆者:ドラゴン竜

  • たくさんの「いいね」ありがとう!

    155

  • 作成日時
    2026/02/26 11:42

レッド・ツェッペリン:ビカミング

総合評価:3.0制作年:2025年制作国:イスラエル、アメリカ再生時間:-
配信中:
U-NEXTDMM TV
このページからお申込みで楽天ポイントGET!
詳細はこちら
レッド・ツェッペリン:ビカミング

今も史上最強のロックバンドのひとつに数えられるレッド・ツェッペリンの出発点を、メンバーの証言だけで紡いだ初のドキュメンタリー。監督バーナード・マクマホンがメンバーの全面協力を得て完成させた本作には、外部の評論家も音楽ジャーナリストも一切登場しない。語るのはジミー・ペイジ(ギター)、ジョン・ポール・ジョーンズ(ベース/キーボード)、ロバート・プラント(ヴォーカル)、そしてアーカイヴ映像の中のジョン・ボーナム(ドラムス)だけだ。ノイズのない事実のみで構成されているからこそ、メンバーとともに当時を追体験できる映画オデッセイとなっている。 メンバーの少年時代──楽器との出会いから物語は始まる。やがて、ジミー・ペイジはスタジオ・ミュージシャンとしてのキャリアを積み重ねながら、「自分のバンドで、聴いたことのないサウンドを届ける」という野望を抱く。ロンドンのレコーディング現場で引く手あまただったベーシスト、ジョン・ポール・ジョーンズ。バーミンガムの片隅で吠えていた若きロバート・プラント。そしてプラントが「この男しかいない」と推薦した驚異的なドラマー、ジョン・ボーナム──経歴も出自もまるで違う3人と出会うまでが、未公開の家族写真やアーカイヴ映像とともに描かれる。とりわけボーナムの生前の肉声に耳を傾けるメンバーの表情はバンドの絆を感じさせるものであり、なぜツェッペリンが解散に至ったのかを静かに伝える…… 映画は1970年1月9日にロイヤル・アルバート・ホールにて行われた凱旋公演でクライマックスを迎える。3月に発売される4K UHD Blu-rayにはDolby Atmos音声が収録されており、本作に登場する数々の伝説的なライブをより立体的な音響で感じることができるだろう。独りではできないことを運命的に出会った仲間と成し遂げてみせる、100%以上の力が生み出す恍惚と奇跡を描いた作品だ。

あなたも作品の評価を入力してみませんか?

レッド・ツェッペリン:ビカミングの★評価を入力する

ジェフ・ベック 60's ヒストリー

総合評価:2.9制作年:2014年制作国:イギリス再生時間:-
このページからお申込みで楽天ポイントGET!
詳細はこちら
ジェフ・ベック 60's ヒストリー

同じ1960年代をジェフ・ベックの視点から見たのがこの作品。『レッド・ツェッペリン:ビカミング』との答え合わせに最適な1本だ。 1965年にエリック・クラプトンがヤードバーズを去った後、実は最初に声がかかったのはジミー・ペイジだった。しかし、セッションワークで多忙だったペイジは自らの加入を辞退し、代わりにジェフ・ベックを推薦する。こうしてヤードバーズに加入したベックは、フィードバック、ディストーション、ワーミーバー──ギターという楽器の可能性を暴力的なまでに押し広げる。注目すべきは、ベックとペイジがヤードバーズで共存した短い期間にも光を当てている点。ツイン・リードギターという異例の編成で「幻惑されて」(Happenings Ten Years Time Ago)を録音した瞬間、バンドはロックへの変態を始めていた。 1966年にベックがヤードバーズを脱退後、ジェフ・ベック・グループとしてロッド・スチュワートやロン・ウッドと共演した時代の熱量も凄まじい。ここでベックが試みた「ギターで歌う」という表現、ブルースでもポップでもない重く激しいサウンドは、レッド・ツェッペリンの誕生にも通じる”地鳴り”だった。

あなたも作品の評価を入力してみませんか?

ジェフ・ベック 60's ヒストリーの★評価を入力する

エリック・クラプトン~12小節の人生~

総合評価:2.8制作年:2017年制作国:イギリス再生時間:-
配信中:
U-NEXT
このページからお申込みで楽天ポイントGET!
詳細はこちら
エリック・クラプトン~12小節の人生~

そして、3人目のギタリストはエリック・クラプトン。1944年生まれのペイジとベックに対し、クラプトンはひとつ下の1945年生まれ。ヤードバーズの2代目リードギターだったが、バンドが商業的なポップ路線に舵を切ったことに耐えられず去った。1966年にドラマーのジンジャー・ベイカーに誘われて、かつて共演したベーシストのジャック・ブルースと3人でクリームを結成。僅か2年半の活動で世界を席巻するスーパーグループへとブレイクし、後続のミュージシャンに多大な影響を与えた。 しかし、この映画が描くのは”ギターの神様”の栄光ではない。母親に拒絶された少年時代の孤独、親友ジョージ・ハリスンの妻パティへの激しい恋慕と、それがもたらした友情の破壊。ドラッグとアルコールに溺れた暗黒の日々。そして愛息コナーの突然の死。栄光と破滅を何度も行き来しながら、クラプトンはその度にブルースという12小節の形式に立ち返った。タイトルの「12小節」とは、ブルースの基本構造であると同時に、クラプトンの人生そのものを支えた骨格だ。貴重なアーカイヴ映像と本人の言葉で綴られるこの作品を観れば、ブルースとは「痛みを抱えて生きること」そのものだとわかる…… これら3本のドキュメントを辿ると、3人の出発点はほぼ同じであることに気づく。戦後のイギリスの街で、アメリカから届いた音楽に雷に打たれたように心を奪われた少年たち。その衝動が、やがてロックという巨大な音楽を生む。『レッド・ツェッペリン:ビカミング』のマクマホン監督は「この映画は、自分の人生で何をしたいかを考えているティーンエイジャーのために作りました」と語る。そう、これらのドキュメンタリーには夢を追うすべての人へのメッセージが込められている。

あなたも作品の評価を入力してみませんか?

エリック・クラプトン~12小節の人生~の★評価を入力する
この記事がよかったら「いいね」

たくさんの「いいね」ありがとう!

155

あなたが見た作品の記事を書いてみませんか?
友達やSNSにシェアしよう!
  1. 本記事の感想は個人の意見です。
  2. 作品情報は投稿時点のものであり、内容が変更・終了している場合があります。
  3. 公式情報などもあわせてご確認ください。
  4. 利用規約に反する内容は、削除されることがあります。
この記事を報告する