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『おさるのベン』公開記念!悪いお猿さん映画5選!

『おさるのベン』公開記念!悪いお猿さん映画5選!

映画紹介人/お笑いコンビ・ジャガモンド斉藤です。 毎月第4金曜日に”配信で鑑賞できる作品”を選び、あーだこーだ書いていこうというこちらの企画。 居酒屋で誰かと喋ってる感じで書いていくので、酒のお供だと思ってお付き合いください。 今回は『おさるのベン』(2/20〜)の公開を記念して、"悪いお猿さんが登場するアニマル・モンスター・パニック映画"(以下、モンパニ映画)を中心につづります。 そもそも猿を恐ろしく撮るのは難しい。 モンパニ映画を代表する動物たち、サメ、熊、ワニ、ヘビなどには「遭遇したら襲われるかも…」という恐怖の共通認識をすでにみんなが持っていて、そのパブリックイメージが映画の恐怖をある程度、担保してくれる。私たちが森を歩いていて、目の前に熊が現れたら「食われる!」と恐怖を抱くが、それがもし猿だとそう思考は働かない。 「猿はIQが高い」という漠然としたイメージと共に、この世の動物で一番我々に近い存在だということを人間は知っている。だから、他の動物のように本能のまま襲ってくるなんてことはない、という認識が先行してしまう。 だから、猿を扱ったモンパニ映画は従来のモンパニとは違った切り口が必要となってきて、独自の方向に進んでいるように思える。 具体的な作品を挙げて、考えて行こう。 ※記事内には該当作品のネタバレをしているものもあります。あらかじめご了承ください。

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  • 作成日時
    2026/02/27 10:17

リンク

総合評価:2.8制作年:1986年制作国:イギリス再生時間:-
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猿の知能を研究する動物学者が飼っていたチンパンジー・リンク君。留学中の一人の娘が手伝いのため、人里離れたこの学者の家を訪れると、いろんなチンパンジーが屋敷の中を闊歩して、教授のお手伝いをしているんだけど、そんな中で、リンクが反乱を起こすという構成。 音楽がジェリー・ゴールドスミスだから『グレムリン』っぽい奇妙で楽しげなテーマが流れてるんだけど、劇中で起きることは結構残酷だからそのアンバランスな感じが魅力。 ヒッチコックの『鳥』の鳥を取り扱ったアニマルトレーナーがチンパンジーを調教しているらしいので、全編本物のチンパンジーが大活躍するわけですが、僕の中で〈動物濡れ衣映画〉というのがあって本作はそれに該当する。 〈動物濡れ衣映画〉とは演技プランがあるわけじゃなく餌やご褒美がもらえるから、調教師さんの言う通りにそこに”居るだけ”の動物が、作り手の作為的な音楽や編集によって”何か意思がある”かのように演出された映画を指す。 これは実際の動物を扱った撮影ではないと、起こり得ない現象なんだけれど、僕はこの〈動物濡れ衣映画〉が何とも言えない愛おしさを放っていて、大好物である。 例えば『リンク』で「まだ子供のチンパンジー・インクを井戸に閉じ込め蓋をした後の芝居をするリンク」実際は、蓋の上に仁王立ちして、頑なに開けようとしないってだけなのに、ちゃんと意地悪なチンパンジーに見える。その後、エリザベス・シュー演じるヒロインが屋敷の近くに無人のトラックを発見。(持ち主はリンクが殺害)運転席に乗ってみると、後部座席から突如、リンクが現れる。音楽と編集によってジャンプ・スケアーになっており、ホラーではお決まりのシーンとなっている訳だが、どう見てもリンクは遊びたがっているようにしか見えない。 それ以外にも「人を殺しただろと、問い詰められて誤魔化したような表情に見えるリンク」「床下を匍匐前進しながら何かを企んでいるかのように見えるリンク」「人の腕を掴んだまま離さないようにしようと見えるリンク」「人間が車で逃げようとしているところを通せんぼしているように見えるリンク」などなど、濡れ衣ばかり。それらがとてつもなくシュールで愛おしい。 その中で異質なのが、本作の白眉でもあるエリザベス・シューのシャワーシーン。彼女がシャワーを浴びようと服を脱ぐと、奥でリンクがじーっと見つめている。扉を閉じようとすると、手で塞がれ中に入ってくる。何をするわけでもない。ただただ、見ている。なんか、気まずい…。これがとにかく不気味でこの映画で一番怖いシーンなんだけど、いや、これは濡れ衣じゃなくて、リンクがマジで見たがってるだけの可能性あるだろ

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モンキー・シャイン

総合評価:2.8制作年:1988年制作国:アメリカ再生時間:-
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モンキー・シャイン

交通事故で全身麻痺となってしまった陸上選手のアランは、事故のショックに耐えきれず自殺未遂を起こしてしまう。そんな悲観に暮れた様子を見かねた生物学者の友人が自身が育てた介助猿エラをプレゼントする。すっかり絆が深まり、意気投合する2人だったが、アランが怒りを感じた相手や、二人の関係性を邪魔する人間をエラが次々と殺害し始める…。 実は、エラはシャーベットになった人間の脳みそを注射されていたのだ!いや、だからって頭良くなるか!とは思うけど、何というかロメロっぽい。それくらいMADな方が良いよね、映画はっていう。 身の回りのお世話をしてくれるオマキザル・エラがまぁ可愛くて「これくらいのサイズ感なら飼ってみたい」と誰もが思ってしまう。ただ、この映画では小回りが効く分、夜中に家を抜け出して人を殺していたりするから要注意。  『リンク』のチンパンジーのように本作も本物のお猿さんが悪い猿を演じてくれているので、もちろん〈動物濡れ衣映画〉全開。しかし、前回あったシュールさが激減した。それはおそらく猿のサイズが小さくなり、小動物の表情に近くなったからかもしれない。やはり本物のチンパンジーくらい表情が豊かな方が濡れ衣の哀愁が醸し出されるのだろう。 ていうか、そんな小さい猿怖いのか?と思うかもしれないが、冒頭に記述した通り、主人公は全身麻痺で車椅子生活。首から下は動かない状態の中でいかにエラと戦うか?クライマックス、停電した家の中で繰り広げられる頭脳戦は猿モンパニの中でもトップクラスの緊迫感。

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猿の惑星:創世記(ジェネシス)

総合評価:3.0制作年:2011年制作国:アメリカ再生時間:-
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猿の惑星:創世記(ジェネシス)

DVDのパッケージでネタバレしているでお馴染み『猿の惑星』(1968年)のエピソード0。いや、まずは旧シリーズからやりなさいよ。てか、そもそもまずは1933年のキングコングからだろ!と思っている、僕。落ち着いて。今回はモンスターパニック映画の中の猿でいきたいのだ。 本作はなんと言っても”顔圧”(ガンアツ)の映画。『仁義なき戦い』とか韓国の暴力映画とかと一緒。顔圧で物語を語っているというか、いや、物語が顔圧に負けているというか、それくらい凄い。近年のフルCGによる写実的な志向によって、動物の実写化は完全に個性を持ちづらくなった。『ライオン・キング』実写化とか観て、リアルであれば良いってもんじゃないと誰もが思ったはず。 本作も同じくリアル志向なんだけど、主人公のチンパンジーであるシーザーを演じたアンディ・サーキスがさすがで。気骨のあるイケメン・チンパンジーなんだ。表情で、あ。こいつただの猿じゃないってのがよくわかる。 何より衝撃的だったのが「No〜!」とマルフォイを拒否ったシーン。当時、劇場で観てたけど、マジであの瞬間、静まり返った。マルフォイも僕らも「え…?喋ったんだけど…!?」って同時に思って隣の席の人と目が合った。(気がする) 『リンク』も『モンキー・シャイン』も面白いんだけど、やっぱり猿のモンパニ映画の難しさを感じる。怖さとシュールのせめぎ合いで、微妙にシュールが勝っちゃってる感じがしてたんだけど、本作は違った。シーザーがちゃんと男前に見えてケレンがあるように見えているのは凄い。 格好いいじゃないか「No」と言える猿。

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NOPE/ノープ

総合評価:2.8制作年:2022年制作国:アメリカ再生時間:-
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NOPE/ノープ

”口と肛門が同じ穴”というとんでもないモンスターが登場する。 冷静に、人間に置き換えてみたら最悪じゃない?百歩譲って、出す時はまだ良いけど、食べる時同じ穴なのヤバい。そんなひとりムカデ人間みたいなモンスターに並んでインパクトがあったのが、チンパンジーのゴーディくん。 映画の冒頭、机の下から覗くカメラ。口元に血糊をつけながらあたりをキョロキョロと見渡しているゴーディくん。どうやらテレビのセットで、観覧席も見えるが、誰もいない。照明で明るく異様に照らされたセットには血がべっとり付いていて、さっきまでそこにあったであろう人の熱気と、今ある異様な静けさが対比になって、異様な雰囲気を醸し出している。 目が合った。ゴーディくんと。 息が止まった。あっちも息を止めた。 こ、怖い…!率直にそう思った。 先述したシュールさとの戦いに恐怖が勝った瞬間だった。冗談抜きにこの時の恐怖は『おさるのベン』を観に行くと決めている観客の背中を推していると思う。(真意はわからないが、メインビジュアルの雰囲気が『NOPE』のゴーディくんを観た時の印象に近い) それくらいのインパクトがあのシーンにはあった。 考えてみれば、今、私たちが怖いと思う表現も一昔前ではシュール、悪く言えば滑稽、意味不明と捉えられてきたのかもしれないし、もっと言えばシュールさが恐怖表現を進化させてきた側面もある。 ゴーディくんはシュールさによる新鮮さを保った新しい恐怖だったのだ。

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ゴジラxコング 新たなる帝国

総合評価:2.8制作年:2024年制作国:アメリカ再生時間:1時間56分
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最後がこれはもうオチ担当みたいになってるし、そもそもモンパニじゃないじゃん!というご指摘もわかる。わかるが、先ほどから繰り返しているシュールさをフルスイングでぶち壊した猿映画界のゲームチェンジャーであることは間違いないのだから、取り上げたい。 今更だが、猿がなぜシュールに映るのか?を考えた時に、やはりそれは人間に近しい行為をする動物だから、という点は大きいと思う。人は動物が人に近い行動を取った時に異常に興奮する。しかも、猿は容姿が人間と瓜二つ。犬や猫よりも断然、人間寄りだ。 だから、そもそも存在自体がシュールと言って良いかもしれない。 本作は、人間と猿って似てるよね〜ではなく、”猿を完全に人間と一致させた”。いや、一致させすぎた。 コングは、仕事終わりにシャワーも浴びるし、歯医者にも行くし、相手を説得するし、ため息もつく。 まるで筋肉アクション俳優が主役のスター映画のような作品だった。興味深いのは、スーツアクターがコングをそのように演じているように見えない点。そうではなく、コングという役者が今、仕事でキング・コングを演じているように見えてくる。それは、徹底的な人間、言葉の削除を行ったことで、人間が人間のために作った感、臭みが削ぎ落とされたからだろう。 実際、この映画で人間が何をしていたかすぐに思い出せる人はいない。猫みたいなゴジラ、冷たいの吐くあいつ、無重力のバトル、地獄みたいなところにいる別の類人猿…もしかしたら、最初っから人間はいなかったのでは?とさえ思えてくる。 『ゴジラ×コング 新たなる帝国』はお猿さんのお猿さんによるお猿さんのための純度100%のお猿さん映画なのだ。 <終わりに> 猿映画は一気に広がりを見せるはず! 毛並みや豊かな表情を描けるCG技術が進化したことも大きい。 先述した『NOPE』で恐怖の猿の扉が開かれたのか、昨年は『ザ・モンキー』という怪作が公開され、今年は『おさるのベン』がある。(しかも、ベンは着ぐるみ+アニマトロニクスという古風な手法!) どれも従来のモンパニ映画とは一線を画す設定だ。 ますます盛り上がる猿映画界をこれからもみんなで注目して参りたい。

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出典
*1 Rakuten TV (https://im.akimg.tv.rakuten.co.jp/content/88/32/488823/jacket_h_l.jpg) 取得日:2025/12/18

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