
【感想】サム・ライミ監督作『HELP/復讐島』を観て
『HELP/復讐島』、今年のベスト1になりそうで困ります。出張中の事故で無人島に投げ出され、生き残ったのは、部下リンダと、パワハラ全開の2代目若社長ブラッドリーだけ。設定だけでもう胃がきゅっとなりますが、そこからの転がし方が抜群でした。 主役リンダのレイチェル・マクアダムスがとにかく強い。追い詰められた側のはずなのに、状況を理解した瞬間から目つきと声の温度が変わっていく。その変化が「脚本上そうなるよね」じゃなく、「この人ならやる」に見えるのがすごいです。対するディラン・オブライエンのブラッドリーも、憎たらしいのに目が離せない絶妙さ。権力だけで生きてきた人が、島で少しずつ“素”を剥がされていく情けなさがリアルで、笑えるのに怖い。 そして、リンダがブラッドリーの“アレ”を“アレ”する例のシーン。呼吸が止まるタイプのスリルで、こちらの手汗まで演出されます。あの一連の緊張感、まさにライミの真骨頂。 あとめちゃくちゃかわいそうなのが、ブラッドリーの彼女と、彼女を島に連れてきた船頭さん。二人とも今年一番の「巻き込まれ力」では……。痛い、怖い、でも面白い。そんな矛盾を全部まとめて快感にしてくる一本でした。 サム・ライミ監督、やっぱり人の神経の細い糸を指で弾くのが上手いんです。怖がらせる時は容赦なく、でも「そこで笑わせる!?」という間合いも入れてくる。ホラーの嫌な手触り、サスペンスの息苦しさ、ブラックコメディの意地悪さが同じ鍋で煮込まれていて、なのに味がケンカしていない不思議。無人島なのに、やっていることは会社の縮図という皮肉も効いていて、笑っていいのか背筋を伸ばすべきか、感情の置き場が忙しい作品でした。 -------------- 下はサム・ライミ監督作品です!
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- 作成日時:
- 2026/03/06 16:59
- 更新日時:
- 2026/03/07 02:25
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