
松山ケンイチ主演 NHKドラマ10『テミスの不確かな法廷』|骨太で清々しい法廷ドラマ
NHKドラマ10『テミスの不確かな法廷』は、松山ケンイチ主演の本格リーガルドラマ。 発達障害を抱える裁判官・安堂清春が、受け持つ事件の真相と向き合いながら成長していく姿を描く。 遠藤憲一、鳴海唯ら実力派キャストが集結し、重厚なテーマにも踏み込む。 緻密な構成と高いエンタメ性を兼ね備えた、今期屈指の骨太リーガルドラマ。
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- 作成日時:
- 2026/03/11 00:01
- 更新日時:
- 2026/03/11 00:02
テミスの不確かな法廷
「分からないことを分かっていないと、分からないことは分かりません」。 発達障害を抱える裁判官・安堂清春(松山ケンイチ)が毎回口にするセリフ。これが、回を重ねるごとに、どんどん熱を帯びていくーー。 NHKドラマ10『テミスの不確かな法廷』は、誠実で熱いリーガルドラマだった。 主人公は、どこか不器用で、時に致命的なミスも犯す。それでも彼が目を背けずに“向き合おう”とする姿勢が、この作品の芯になっている。 第3話で描かれた“カミングアウト”の葛藤や、最終話へとつながる前橋一家殺人事件――物語は回を追うごとに重みを増しながら、単なる法廷劇にとどまらない深みへと踏み込んでいく。 特筆すべきはキャスティングの妙。遠藤憲一、和久井映見、市川実日子、山本未来ら実力派が揃い、毎話「この人をここに置くか!」という唸らされる配置。 鳴海唯、恒松祐里ら若手の存在感も光り、作品に柔らかさとリアリティを同時に与えている。 一見バラバラに見えた事件が、終盤で大きなうねりとなって収束していく構成も見事。決して珍しい手法ではないが、丁寧に積み上げた人物描写があるからこそ、説得力が段違いだった。第7話の高密度な展開、そして最終話で語られる「向き合う覚悟」は、観る者の胸を強く打つ。 外国人労働者問題や再審制度、裁判所主導の職権主義など、扱うテーマは決して軽くない。それでも不思議と観た後は清々しい。 それはきっと、このドラマが「正しさ」よりも「誠実さ」を信じているからだろう。 『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』が好きな人には間違いなく刺さるし、日本のリーガルドラマの中でも、かなり骨太でロックな一本。 今クール屈指、と言いたくなる完成度だった。
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