
映画『国宝』レビュー|吉沢亮ら圧巻の歌舞伎・女形と覚悟の3時間
映画『国宝』は、歌舞伎の世界を舞台に「血筋」と「才能」、そして芸に生きる覚悟を描いた圧巻の3時間大作。 吉沢亮、横浜流星ら実力派キャストが、1年半の稽古を経て挑んだ舞踊と演技は必見。特に女形としての表現力と、後半にかけてうねる濃密な人間ドラマは圧倒的だった。歌舞伎役者の光と闇を描き切る本作は、伝統芸能への関心を高める一本となっている。
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- 作成日時:
- 2026/03/13 22:05
国宝
とにかく圧巻。 「1年半の稽古が必要だった」という言葉に、観終わった今なら心からうなずける。歌舞伎俳優として、そして“女形”としての所作、舞踊、視線のひとつひとつに、積み重ねた時間がそのまま宿っていた。 正直、3時間と聞いたときは少し身構えた。でも実際は、あっという間。むしろ「もっと観せてくれ」と思いながら劇場を後にした。予告編では「血筋」と「才能」という、芸に身を捧げる者たちの永遠のテーマが強調されていたが、本作の本質はそこだけではない。後半は想像以上にうねり、歌舞伎という世界の光と影、その深淵まで踏み込んでいく。 少年・喜久雄を演じた黒川想矢の女形は、冒頭から観る者を一気に物語へ引き込む力があった。どこかで観たことがあると思ったら『怪物』のあの少年。ここでも圧倒的な存在感だ。 花井半二郎(渡辺謙)の稽古シーンは鬼気迫るものがあり、芸に生きる覚悟が画面越しに伝わる。吉沢亮と横浜流星、それぞれの舞踊の個性の違いも興味深く、特に吉沢亮の「死ぬる覚悟が…」の場面は、あの表情と声に鳥肌が立った。 そして、歌舞伎役者のダークサイドを容赦なく描く展開には唸らされる。田中泯の存在感も圧倒的で、むしろ静かな会話のシーンのほうが怖いほどに強い。 撮影はソフィアン・エル・ファニ。映像の力強さと艶やかさは、歌舞伎の世界をより現代的に、そして普遍的に昇華していた。Apple TV+のドラマ「Pachinko パチンコ」で李監督と仕事をした縁で本作に参加していたらしい。気になっていたドラマだったので、「Pachinko パチンコ」を観てみたい。 これは、シネマ歌舞伎の需要が増えるだろうなぁ……いやいや、そもそもの歌舞伎ファンが増えるだろう。
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