ゾクゾクする緊張感に酔いしれる! 韓国BL『僕の指先に君の温度が触れるとき』
昔から、冬になると、切ないラブストーリーを観たくなります。そんな話をしたところ、BLに精通する友人が勧めてくれたのが、『僕の指先に君の温度が触れるとき』。 本作は、韓国BLを世界に知らしめた名作『俺は恋愛なんか求めてない!』のスピンオフ。同作のサブカップル、ドンヒ(ドウ)とホテ(ウォン・テミン)の高校生時代を描いています。 母親が親友同士で、実は幼馴染だった二人。父親を事故で亡くしたホテは、ソウルから生まれ故郷の江陵(カンヌン)に戻り、彼の家で居候生活を送っていたドンヒと同居することに。久しぶりの再会に興奮するホテに対して、どこかそっけない態度のドンヒ。そんなドンヒの気を引こうとするうちに、ホテは初めての感情が芽生えていることに気づく……というストーリー。 結論からお話ししますと、もう、想像を遥かに超える切なさでした。幼馴染に対する恋心に戸惑い、気持ちに蓋をしようと、ともにもがくドンヒとホテ。“この想いを口にしてしまったら”、“この指先で彼に触れてしまったら”……そんな二人の心の葛藤がヒシヒシと伝わり、終始、胸が締め付けられっぱなしでした。 ・繊細な心の揺れ動きを、視線だけで見事に表現! この作品の最大の特徴は、言葉での感情表現がほとんどないこと。ホテはドンヒがそっけない理由を聞けなかったり、ドンヒはホテが次々と彼女を作るのを黙って見守ったり、核心を突く会話が全くないんです。 二人の感情をどうやって理解するのかというと、お互いを見る視線。言葉に出すのは我慢できても視線は偽れない、そんなところがとても思春期真っ只中の青年らしくて、作品にリアリティをもたらしていました。見つめ合いながら、お互いの気持ちに確信を持った瞬間の緊張感ある視線は、思わずゾクゾクしたほど! ・季節の移ろいとともに高まる、心と体の温度 本作のロケーションは、豊かな自然に囲まれた海岸沿いの街。韓国の冬の厳しさが一層、伝わってきて、二人が触れ合ったときに感じる温もりを際立たせています。終盤、粉雪の降る中で白い吐息を吐きながら抱き合うシーンは、息を呑む美しさ。冬に観ると臨場感が増して、おすすめです。 ちなみに私は『僕の指先に君の温度が触れるとき』→『俺は恋愛なんか求めてない!』の順で観たのですが、全く問題ありませんでした。年末の休暇のお供に、2作セットでぜひ!
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- 作成日時:
- 2024/12/26 09:25
- 更新日時:
- 2025/01/06 12:10
僕の指先に君の温度が触れるとき
- 制作年:
- 2023年
俺は恋愛なんか求めてない!
- 制作年:
- 2023年
You make me Dance~紅縁<ホンヨン>
- 制作年:
- 2021年