
静かな怒りと危うい正義──『デス・ウィッシュ』の見やすさと不穏さ
『デス・ウィッシュ』は、派手な大作ではないが、定期的に観たくなるタイプの良作だと思う。近年はB級作品やカメオ出演が多かったブルース・ウィリスを、しっかり主役として楽しめる一本になっている。近年(といっても2018年の作品だが)の主演作としても、安心して観られる仕上がりだ。 主人公は医者という設定で、いわゆる“復讐のプロ”ではない。ここがこの作品の面白いところだ。銃の扱いも最初から上手いわけではなく、ネット動画で学びながら少しずつ行動していく。この「復讐の素人」という立ち位置が、現代的でリアリティを感じさせる。危なっかしい場面や失敗もあるが、物語はテンポよく進み、観ていてストレスがない。この見やすさが作品の魅力になっている。 同時に、この映画が描くのは銃の持つ恐ろしさでもある。普通の人間が銃を手にした瞬間、暴力のバランスが一気に変わってしまう。主人公は特別な訓練を受けた人物ではないが、それでも“最強”に近い存在になっていく。この変化には不気味さもある。現実にいたら怖い存在だが、映画の中では自警団的な正義として機能する。この危ういバランスが、この作品の核だと思う。 劇中では、主人公の行動を支持するような世論の描写もあり、そこが妙にリアルだ。ニュースやSNS的な反応を通して、「こういう人物がいたら支持されるかもしれない」という空気を見せてくる。この“見たいリアル”の提示が、単なる復讐劇以上の味わいを生んでいる。 アクション自体は派手ではないが、必要十分にまとまっている。無駄に長引かず、淡々と進む展開が心地よい。復讐の物語としてのカタルシスもありつつ、過度にドラマチックにしない。小粒ながらバランスの取れた構成になっている。 ラストも印象的だ。完全に暗い結末ではなく、どこかハッピーエンドのような余韻で終わる。この締め方が後味を良くしている。もし捕まる展開になっていたら、作品全体の印象はかなり重くなっていただろう。その手前で止めた判断が良い。エンドクレジットに入る流れも、さりげなくカッコいい。 『デス・ウィッシュ』は、派手さよりも見やすさとテーマ性で魅せる作品だ。危うい正義を描きながらも、エンタメとして成立させている。重すぎず、軽すぎず、ちょうどいい復讐映画。だからこそ、ふとしたときにまた観たくなるのだと思う。
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- 作成日時:
- 2026/04/13 18:30
デス・ウィッシュ
この作品、小粒だけど好き。引退されたブルース・ウィリスだけど、その直前までチョイ役やB級映画ばかり出ていたが、今作は安心してブルース・ウィリスをフルで楽しめる。「復讐の素人」となる医者の主人公というのもおもしろい。銃の使い方等をネット動画で勉強するのが今風で、失敗や危なげない感じもある。それでもスンナリと事は運んでいく様は見やすくて好印象だった。銃を持てば最強になってしまうという恐ろしさ。まぁ、実際にこんな人がいたら怖いと思うが、物語として自警団として正義の鉄槌を下す人間がいるというのは応援してしまうもの。劇中でも持ち上げる描写があり、そのあたりもリアルでよいよね。見たいリアルというのかな。最後はハッピーエンドのような感じで終わったのもスッキリ。あそこで捕まったらちょっと後味悪かった。エンドクレジットへいく流れがまたカッコよかった。定期的に見たくなる良作。
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