
朝ドラ『ばけばけ』ロスが止まらない今さらレビュー
NHK朝ドラ『ばけばけ』は、トキ(髙石あかり)とヘブン先生(トミー・バストウ)の関係性の変化を軸に、半年間を通して物語の印象が大きく変わっていく作品だった。 松江・熊本・東京と舞台を移しながら、ユーモアと影のある映像表現が絶妙に混ざり合う。特に最終週の余韻と、オープニングのポートレートの見え方の変化が秀逸で、見終えた後にもう一度振り返りたくなる構成が魅力。 従来の朝ドラの枠に収まらない、新鮮で印象深い一作。
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- 作成日時:
- 2026/04/13 22:28
- 更新日時:
- 2026/04/13 22:32
ばけばけ
半年を通して、オープニングクレジットに映るトキ(髙石あかり)とヘブン先生(トミー・バストウ)の、あの仲睦まじいポートレートの見え方が、少しずつ変わっていった。 まだ幼く、ヘブン先生と出会う前のトキ。優秀ではないけれど、大切なものはわかっている少女だったころ。 銀二郎や錦織と過ごした東京での日々や、あの時の牛乳をきっかけに思い出される松野家の面々――物語の断片ひとつひとつが、後からじわじわと効いてくる。 ヘブン先生と出会ったばかりの頃、女中として叱られていたトキ。「ビア」事件のシーンは、何度見ても思わず笑ってしまう。 やがて「怪談」をきっかけに距離を縮めていくふたり。滞在記が完成してもなお日本にいたいヘブン先生と、そばにいてほしいトキ。そして、なぜかそこにいる錦織先生(笑)。 結ばれたふたりは、幸せな場所だった松江を離れる決断をする。熊本編では、探偵もののスピンオフのようなエピソードもあり、物語に不思議な広がりを見せた。 そして時は流れ、東京編へ。最終週は、なんとも言えない味わい深さがあった。 さわやかとは程遠く、どこか暗い影を落とした映像。それでも、松野家のくだらないやりとりや出鱈目な会話が、独特の温度を保ち続けていた。 正直、想像していたドラマではなかった。むしろ、最後まで想像させてくれない新鮮さがあった。それほどまでに、主演のふたりから目が離せなかった。 だからこそ――最初に見たときと、最終週を見終えたあとでは、あのオープニングのポートレートの表情が、まったく違って見えたのだと思う。
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