
アカデミー賞受賞作品シリーズ(監督賞 編)
つい先日行われた第82回ゴールデングローブ賞では、『SHOGUN 将軍』に出演する真田広之、浅野忠信、アンナ・サワイらの主要4部門受賞で盛り上がった。 アカデミー賞の前哨戦とも言われるゴールデングローブ賞は「映画」と「ドラマ」部門に分かれており、「映画」部門でノミネートや受賞された作品は2月に行われるアカデミー賞でもノミネートされる確率はかなり高い。 アカデミー賞好きとしては、1月23日(水)に行われるノミネーション発表が今から楽しみで仕方ない! 筆者の前回の記事に続き、今回もアカデミー賞にまつわる映画作品をご紹介。 ちなみに前回は「脚本賞・助演賞」をダブル受賞した作品を取り上げた。(記事はこちら:https://play.rakuten.co.jp/article/382) 今回は「監督賞」に注目。 「作品賞」と同時受賞することが多く、その年一番「作家性」を遺憾なく発揮した映画監督におくられる「監督賞」。 力強く、そしてエモーショナルな3作品をご紹介したい。 ■おすすめしている作品 ①プライベート・ライアン ②フォレスト・ガンプ 一期一会 ③ノーカントリー 編集担当:Koji ※1/23(水)一部加筆修正しました。
たくさんの「いいね」ありがとう!
175
- 作成日時:
- 2025/01/10 13:13
- 更新日時:
- 2025/01/23 09:17
プライベート・ライアン
- 制作年:
- 1998年

第二次世界大戦中のフランスを舞台に、アメリカ軍のミラー大尉(トム・ハンクス)が率いる小隊が、戦場で行方不明となったライアン二等兵を救出する任務を受ける。ライアンは出兵した兄弟4人の唯一の生存者であり、彼を無事に帰還させることが目的だ。 戦闘に不慣れな通訳・アパム伍長を新たに加えた小隊は、救出任務のため過酷な戦場のなかを突き進む。戦争の現実をリアルに描いた感動的な物語である。 冒頭の約20分にわたるノルマンディー上陸作戦のシーンは、その後の「戦争映画」「アクション映画」のスタンダードになるような圧倒的なリアリズムで観る者を戦場に引きずり込む。このシーンだけでもスティーヴン・スピルバーグの監督賞は納得。 ■受賞結果 第71回 アカデミー賞(1999年) 監督賞:スティーヴン・スピルバーグ(『ジョーズ』『E.T.』『ジュラシック・パーク』『シンドラーのリスト』)
フォレスト・ガンプ 一期一会
- 制作年:
- 1994年

純粋で心優しく、そして足の速さが人並み外れたフォレスト・ガンプ。知能指数は劣っていてもアメリカンフットボールで能力を発揮し、ベトナム戦争など激動のアメリカを駆け抜ける。幼なじみでフォレストの最愛の人ジェニー、破天荒だが愛情深い母親、そして忘れらない戦友……。 フォレストの純粋な視点を通して、観る者の心を温かく包み込む感動的な作品。 『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『ロジャー・ラビット』の監督でもあるロバート・ゼメキスは、アメリカの歴史的出来事にフォレストが関わるシーンを、VFXを巧みに利用してユーモラスに演出。 随所で映像技術を駆使した本作は「アカデミー視覚効果賞」も受賞している。 また主演男優賞を受賞したトム・ハンクスの名演技もさることながら、ジェニーを演じたロビン・ライト、ベトナム戦争で出会うことになるダン中尉役のゲイリー・シニーズなど、輝かしいだけではないアメリカの影を背負ったキャラクターを演じた2人も本作に深みを与えている。 ■受賞結果 第67回アカデミー賞(1995年) 監督賞:ロバート・ゼメキス(『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『ロジャー・ラビット』『コンタクト』『キャスト・アウェイ』)
ノーカントリー
- 制作年:
- 2007年

1980年代のテキサスを舞台にした、暴力と混沌に満ちた追跡劇。 偶然にも大金を発見した男ルウェリン・モス(ジョシュ・ブローリン)は、それが麻薬取引の金だったことから命を狙われることになる。 冷酷無比な殺し屋アントン・シガー(ハビエル・バルデム)、事件を追う老保安官(トミー・リー・ジョーンズ)などの執拗な追跡をもとにスリリングな展開が描かれる。 コーエン兄弟監督の作品の持ち味である「一筋縄ではいかない登場人物たち」のなかでは、本作で助演男優賞を受賞した、ハビエル・バルデム演じるシガーの不気味で圧倒的な存在感が最大の見どころ。 単純な逃亡・追跡劇ではなく、決して安易な展開にならない「善悪」の境界が曖昧な世界観が観る者を引き込む。 ■受賞結果 第80回アカデミー賞(2008年) 監督賞:ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン(『ファーゴ』『ビッグ・リボウスキ』『トゥルー・グリット』)