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スクリーンに咲く春の色。色彩に満ちた風景で味わう、ウェス・アンダーソン映画3選。

スクリーンに咲く春の色。色彩に満ちた風景で味わう、ウェス・アンダーソン映画3選。

春になると、 街の色が少しだけ増える。 冬のあいだ静かだった景色に花が咲き、 あたたかな光に包まれて、 心も軽やかに空気がやわらぐ。 はじめまして、 寺嶋夕賀です。 アイドルとしての活動を経て、 現在はYouTubeチャンネル 「エイガブッ!」 で映画について発信しています。 2018年から2024年まで、 300回にわたる週1回の映画コラム連載を続けてきましたが、 この春、 約2年ぶりに新たな連載をスタートすることになりました。 この連載では、 季節や気分に寄り添いながら、 いくつかの映画をテーマごとに紹介していきます。 そんな最初のテーマに選んだのは、 春の空気にぴったりと重なるウェス・アンダーソンの映画。 整えられた構図の中に並ぶパステルカラー、 キャンディのようにポップな色彩。 スクリーンに広がるその世 界は、 ただ美しいだけではなく、 物語の温度や登場人物の感情までも映し出している。 今回は、 スクリーンに咲く “春の色” を感じられるウェス・アンダーソンの作品を3本セレクトしました。 彩りに満ちた映画たちは、 観ているだけで気持ちが少し明るくなるはず。 繊細な色使いを通して、 春という季節をじっくりと味わっていきたい。

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  • 作成日時
    2026/04/27 16:57

グランド・ブダペスト・ホテル

総合評価:2.9制作年:2014年制作国:アメリカ再生時間:-
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グランド・ブダペスト・ホテル

ピンクを基調としたホテルの外観や、 パステルカラーのお菓子箱。 画面いっぱいに広がるその色は、 まるで宝石箱を開けた瞬間のようなときめきを感じさせる。 物語は、 伝説的コンシェルジュのグスタヴとベルボーイのゼロを中心に展開していく。 究極のおもてなしを信条とするグスタヴは、 ある日、 長年の顧客であるマダムDの死をきっかけに、 遺産をめぐる騒動へと巻き込まれていくのだ。 高価な絵画を託されたことで容疑者として追われることになった彼は、 ゼロとともにヨーロッパを駆け巡りながら、 真相を追い求めていく。 軽やかなユーモアに満ちた逃避行の裏側には、 時代の移ろいや、 失われていく優雅さへのまなざしが静かに息づいている。 整えられた構図と、 細部まで徹底的に作り込まれた美術。 その精密さが、 どこか現実から少し距離を置いたような独特の世界観を生み出している。 画面の隅々まで意識が行き届いた演出は、 何気ない場面にも小さな発見を与えてくれるのです。 そして印象的なのが、 映像と音楽のリズムの心地よさ。 テンポよく切り替わるカットに音楽がぴたりと重なり、 まるで一つの楽曲のように物語が進んでいく。 軽快さと美しさが同時に立ち上がるその感覚は、 この作品ならではの魅力といえる。 ウェス・アンダーソンの世界観を象徴するような一本。

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フレンチ・ディスパッチ

総合評価:2.8制作年:2021年制作国:アメリカ再生時間:-
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フレンチ・ディスパッチ

フランスの架空の街に拠点を置く雑誌 「フレンチ・ディスパッチ」 の最終号に掲載される記事の数々を描いたオムニバス作品。 ひとつひとつの物語は独立していながらも、 記者たちの視点を通してゆるやかにつながり、 作品全体として一冊の雑誌のような構成になっている。 モノクロとカラーが行き交いながら、 場面ごとに異なる表情を見せる映像も印象的で、 色が切り替わるたびに空気が変わり、 物語ごとの温度や距離感が自然と伝わってくる。 そして何より特徴的なのが、 言葉のリズム。 台詞やナレーションが絶え間なく重なり合いながら進んでいくテンポは、 まるで文章を読んでいるかのようでもあり、 “読む映画” という感覚を強く感じさせる。 情報量の多さや構造の複雑さの中に、 ユーモアや人間味がしっかりと息づいているのもこの作品の魅力だ。一度では追いきれないほどの密度があり、 観るたびに新しい発見をもたらす。 言葉と構造の面白さが、 ページをめくるように何度でも味わいたくなる一本。

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ムーンライズ・キングダム

総合評価:2.9制作年:2012年制作国:アメリカ再生時間:-
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黄色やオレンジを基調とした、 やわらかな色合いが印象的な作品。 強い色ではないのに、 画面全体にあたたかさが広がり、 観ているだけで心がほどけていくよう。 物語は、 孤独を抱えた少年サムと少女スージーが、 ある日ふたりで島を抜け出すところから始まる。 彼らを探す大人たちの視点も交えながら、 それぞれの不器用さや優しさが静かに描かれていく。 派手な出来事が続くわけではないのに、 ふたりの時間や交わされる言葉のひとつひとつが、 どこか愛おしく感じられる。 子どもと大人、 そのあいだにある揺らぎのようなものが、 観ているうちにふと立ち上がり、 遠くに置いてきた感情を思い出すような瞬間がある。 流れる音楽や語りのリズムもどこか穏やかで、 物語全体がゆっくりと呼吸しているような心地よさがある。 ノスタルジックな色彩と重なり合い、 現実から少しだけ離れた場所へと連れていってくれる。 観終わったあと、 やわらかな光のような余韻が静かに残る。 そんな時間を、 ふともう一度味わいたくなる一本。

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出典
*1 IMDb (https://www.imdb.com/es/title/tt1748122/) 取得日:2026/4/27

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