
アカデミー賞受賞作品シリーズ(主演賞編)
2025年3月2日(現地時間)に開催される第97回アカデミー賞授賞式。日本では3月3日(月)午前中が授賞式の真っ最中になる予定。 当日は仕事そっちのけで、SNSの「#Oscar」「#アカデミー賞」を追いかけて受賞結果をチェックし続けることになるだろう。 その映画の祭典であるアカデミー賞のノミネーション発表が、つい先日行われた。 今年は日本未公開作品が多いため、作品賞のノミネート作品は馴染みがない作品がズラリ。(日本公開済は今のところ『デューン 砂の惑星 PART2』のみだった) 主要部門でひときわ華やかな部門といえば、俳優部門。それも主演賞部門だろう。 今回のノミネートは下記の通り。作品はまだ観ていなくとも、日本でも有名な俳優が多数ノミネートされている。 筆者の世代(40代)としては、デミ・ムーアがアカデミー賞初ノミネートというのがグッとくる! ■主演男優賞ノミネート エイドリアン・ブロディ『ブルータリスト』 ティモシー・シャラメ『名もなき者 A COMPLETE UNKNOWN』 コールマン・ドミンゴ『シンシン SING SING』 レイフ・ファインズ『教皇選挙』 セバスチャン・スタン『アプレンティス ドナルド・トランプの創り方』 ■主演女優賞ノミネート シンシア・エリボ『ウィキッド ふたりの魔女』 カルラ・ソフィア・ガスコン『エミリア・ペレス』 マイキー・マディソン『ANORA アノーラ』 デミ・ムーア『サブスタンス』 フェルナンダ・トーレス『アイム・スティル・ヒア(英題)』 その年のアカデミー賞の「顔」になる主演賞候補者たち。 過去に主演賞を受賞した作品もその年を代表する作品が多い。今回は、そんなアカデミー主演賞を獲得した作品をご紹介したい。 ■おすすめしている作品 ①エリン・ブロコビッチ ②フィラデルフィア ③ゼア・ウィル・ビー・ブラッド 編集担当:Koji
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- 作成日時:
- 2025/01/31 16:04
エリン・ブロコビッチ
- 制作年:
- 2000年

シングルマザーのエリン・ブロコビッチ(ジュリア・ロバーツ)は、3人の子供を抱えながら貯金が底をついている。なんとか仕事を見つけたい彼女は、とある訴訟をきっかけに弁護士事務所で働くことになるのだが……。彼女は偶然にも大企業の不正、それも人の命にかかわる水質汚染問題に気付いてしまったことから、小さな町の住民たちと共に戦うことを決意。膨大な資料を調査し、住民の信頼を得ながら、前例のない規模の集団訴訟を起こす。 無学でも粘り強く困難に立ち向かうエリン・ブロコビッチを、ジュリア・ロバーツが人間味あふれるキャラクターとして演じていて、まさにハマり役。社会派ドラマとしての完成度も高く、ラストがスカッとする痛快なエンターテインメント作品です! ■受賞結果 第73回 アカデミー賞(2001年) 主演女優賞:ジュリア・ロバーツ(『マグノリアの花たち』『プリティ・ウーマン』『ベスト・フレンズ・ウェディング』『ノッティングヒルの恋人』)
フィラデルフィア
- 制作年:
- 1993年

優秀な弁護士アンドリュー・ベケット(トム・ハンクス)は、エイズに感染していることが発覚し突如解雇を言い渡される。理由は「仕事上のミス」。アンドリューは弁護士事務所の決定は「不当解雇」として、法廷で争う決意をする。しかし弁護士ジョー・ミラー(デンゼル・ワシントン)に助けを求めるも、ジョー自身も当初は偏見を持って彼を見てしまう。 エイズや同性愛に対する偏見が根強かった時代、これらの問題を正面から描いた骨太なヒューマンドラマです。 主人公のアンドリューを演じたトム・ハンクスは、作品の中でどんどん痩せ細り、病魔と闘う芯の強いキャラクターを演じ、主演男優賞を受賞。最初は近寄りづらかったものの、アンドリューとともに大企業に立ち向かう同士となったデンゼル・ワシントンは、実に頼もしい限り。当時40歳前後とはいえ、俳優としては脂がのった2大スターの演技だけでも見応え充分! トム・ハンクスのパートナーとして若き日のアントニオ・バンデラスが出演しているのも見どころです。 ■受賞結果 第66回アカデミー賞(1994年) 監督賞:トム・ハンクス(『めぐり逢えたら』『フォレスト・ガンプ/一期一会』『アポロ13』『プライベート・ライアン』『グリーンマイル』『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』)
ゼア・ウィル・ビー・ブラッド
- 制作年:
- 2007年

20世紀初頭のアメリカ。石油産業の黎明期を背景に、野心的な石油採掘者ダニエル・プレインビュー(ダニエル・デイ=ルイス)の半生を描く。 カリフォルニアの小さな町で石油を掘り当てたことで富を築こうとするダニエルだったが、地元の牧師イーライ・サンデー(ポール・ダノ)との対立がダニエルの人間性を蝕んでいく。 家族や信仰、そして人間関係が崩壊していく中、孤独と狂気に飲み込まれていく彼が選んだ道とは……。 徹底的な役作りと圧倒的な演技力で観る者を画面にくぎ付けにする名優ダニエル・デイ=ルイスが、この作品で2度目のアカデミー主演男優賞を受賞。主人公と対立する牧師を演じたポール・ダノとの激しい衝突が緊張感を生む、重厚な人間ドラマ。「優しくない映画」を観たい時、オススメです。 ■受賞結果 第80回アカデミー賞(2008年) 監督賞:ダニエル・デイ=ルイス(『マイ・レフトフット』『ラスト・オブ・モヒカン』『ギャング・オブ・ニューヨーク』『リンカーン』)