
『銀河の一票』6話、黒木華x野呂佳代x望月歩 ほんとに神回だった。
『銀河の一票』第6話、何度も観ているのですが、やっぱりかなりの神回だったと思います。都知事選に向けて、あかり陣営が暴露系YouTuberの透と組み、月岡あかりをバズらせるために、禁断のSNS戦略に踏み出していく回なのですが、今回すごかったのは、ただ話が大きく動いたことではありませんでした。 このドラマがずっと置いてきた小さな違和感(点字ブロックの件)や健常者なら気づかない視線の布石が、透と明の過去を通して一気に繋がったなぁ…。と、その感覚がすごくあったんです。 ※ここからネタバレ 第6話では、透がかつて盲目の青年、明と出会い、2人で「ブライトブラインド」という名義で動画発信をしていたこと、そして明を事故で失ったことが明かされました。今の透だけを見ると、刺激の強い言葉で世間をあおる暴露系YouTuberに見えるのですが、その奥には、見えていないせいで、なかったことにされる痛みへの怒りがあるような気がして、その背景に気づけると、すっと透側に感情移入できるという構造になっています。この第6話を通じて、ドラマの重要な輪郭がようやく見えた回だった気がします。透の過激さが、ただの炎上芸ではなく、社会の鈍さに対する絶望と怒りから来ているのだとわかった瞬間、この人物の見え方が一気に変わりましたね。 また、今回、あらためて効いてきたのが、点字ブロックの描写です。『銀河の一票』は第1話から、点字ブロックの上に荷物を置く人や、自転車でふさいでしまう人たちをさりげなく映してきました。最初は細かな日常描写のひとつのように見えていたけれど、第6話まで見ると、あれはずっとこの作品が「見えにくい人の不便や痛み」を見落とさないために置いてきた視点だったのだとわかるんですよね。何気ない描写だったものが、ここでちゃんと意味を持って返ってくる。その伏線回収の仕方が本当にうまいなと思いました。 そしてそして、何より、明を演じた望月歩さんが本当に素晴らしかったです。大きく感情を見せる芝居ではないのに、その静けさの中にちゃんと生活がある。そこにいるだけで、この人がどんなふうに毎日を生きてきたのかが伝わってくるんです。だから明が出てくることで、健常者には気づかない、透明化されたギャップが浮き彫りになり、ドラマのテーマが急に社会問題という言葉だけでは片づけられない、生身の痛みに変わるような、そんなその説得力を、望月さんがしっかり作っていたと思います。 もちろん、黒木華さんと野呂佳代さんも本当にすごいです。黒木さんは、理屈や怒りを抱えながら前に進もうとする茉莉の切実さをずっと保っているし、野呂さんは、お子様ランチや最後当り屋のシーンからも伝わるように、この人なら信じたい、この人ならちゃんと声を受け止めてくれそうと思わせる説得力がある。6話の最後、「ちゃんと聞くから」や「念のため」は本当に響きました。この2人がいるからこそ、ドラマが理想論だけで浮かず、ちゃんと地に足のついたものになっているんですよね。 この丁寧さは、『大豆田とわ子と三人の元夫』や『エルピス』の佐野亜裕美プロデューサー、『ひらやすみ』の松本佳奈監督、そして、『舟を編む』の脚本、蛭田直美さんらの作り手の力でもあるのだと思います。『エルピス』でも感じたような、社会性のあるテーマを安易に消費せず、ちゃんと人の体温があるドラマとして届ける力が、『銀河の一票』にも確かに流れている。重いテーマを扱っているのに、声高になりすぎず、それでいてちゃんと刺さる。 第6話は、その強さがいちばんきれいに出た回だった気がします。今期めちゃくちゃ楽しみなドラマの1つです。
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- 作成日時:
- 2026/05/28 16:38
- 更新日時:
- 2026/05/29 09:10
銀河の一票
黒木華ちゃんの、ドラマのすべてをまとめるような演技と、野呂佳代さんのやさしさが光る作品。松下洸平さんがどう動くのか気になりますね。
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