
福山雅治×役所広司『三度目の殺人』 “真実”を信じるほど苦しくなる
スマホを閉じたあとも、あの視線だけが頭から離れませんでした。 『三度目の殺人』は、ただの法廷サスペンスではなく、「人は本当に他人を理解できるのか」を静かに突きつけてくる作品です。 勝利だけを追う弁護士・重盛を演じる福山雅治と、何を考えているのか最後まで読めない殺人犯・三隅を演じる役所広司。この対峙が本当に恐ろしいです。会話を重ねるたびに証言が変わり、見えていたはずの事件像が崩れていく。その感覚がじわじわ効いてきます。 特に役所広司の表情は圧巻です。笑っているようにも、諦めているようにも見える。だからこそ、三隅が本当に殺したのか、その動機は何なのか、観ている側の感情まで揺さぶられます。 そして広瀬すず演じる被害者の娘の存在も強烈です。多くを語らないのに、彼女が画面にいるだけで空気が変わる。あの沈黙が意味するものを考え始めた瞬間、この映画は単なる事件解決の物語ではなくなります。 是枝裕和監督らしい静かな演出なのに、観終わった後の余韻は異様に重いです。誰の言葉を信じるのか。そもそも“真実”なんて存在するのか。答えが出ないまま、ずっと心に残り続ける作品でした。 重い作品を観たい夜ほど、不思議とこの映画を選びたくなります。
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- 作成日時:
- 2026/05/28 16:45
三度目の殺人
是枝裕和監督と福山雅治が再タッグを組んだ法廷心理ドラマ。殺人前科を持つ男・三隅は、工場社長を殺害し死体に火をつけた罪で起訴される。弁護士・重盛は死刑回避のため弁護を担当するが、面会を重ねるたびに三隅の証言は変化し、事件の真相が揺らぎ始める。役所広司、広瀬すずら実力派キャストが集結し、第41回日本アカデミー賞で6部門最優秀賞を受賞した。
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