
山田孝之主演『凶悪』人間が一番怖いと思い知らされる
胸の奥がじわりと冷えていく感覚に、しばらく言葉が出ませんでした。 『凶悪』は単なる犯罪映画ではありません。死刑囚から届いた一通の手紙をきっかけに、記者が封印された事件の真相へと踏み込んでいく物語です。そして気づけば、観ているこちらまで底の見えない闇へ引きずり込まれていきます。 特に恐ろしいのは、暴力そのものではありません。木村という男が周囲の人間を操り、利益のために命を奪い続ける異常さです。リリー・フランキーが演じる木村は、怒鳴り散らすわけでもなく、派手な悪党でもありません。それなのに画面に現れるだけで空気が変わります。その不気味さは語彙力を失うほど圧倒的です。 一方で山田孝之演じる記者・藤井もまた、この作品の見どころです。真実を追うはずだった男が、次第に事件へ取り憑かれていく姿は痛々しいほどリアルです。正義のためなのか、執念なのか。その境界線が曖昧になっていく過程に強く引き込まれます。 そして観終わった後に残るのは、犯人への怒りだけではありません。人間の欲望や弱さ、そして正義ですら人を壊してしまうのではないかという不穏な問いです。 あの死刑囚の告白は本当にすべて真実だったのか。木村は本当に唯一の怪物だったのか。考え始めると止まりません。 重く苦しい作品ですが、だからこそ忘れられない一本です。
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- 作成日時:
- 2026/06/09 20:40
- 更新日時:
- 2026/06/09 20:47
凶悪
『凶悪』は、実際の事件ルポをもとに制作されたクライムサスペンスです。死刑囚から届いた告発の手紙をきっかけに、記者・藤井は警察も把握していない複数の殺人事件と、その背後にいる“先生”と呼ばれる男の存在を追い始めます。取材を重ねるほど真相は現実味を帯び、藤井自身も事件にのめり込んでいきます。山田孝之、リリー・フランキー、ピエール瀧らの鬼気迫る演技が高く評価された、日本映画史に残る衝撃作です。
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