
“冒険”ではなく“探検”を描いた傑作──『ロスト・シティZ』の硬派な魅力
『ロスト・シティZ 失われた黄金都市』、これはもっと話題になってよかった映画だと思う。 実は原作ノンフィクションを昔読んでいた。 本としてはなかなか値段も高かったのだが、その価格に十分見合う内容で、「とんでもないものを読んだ」という読後感が残ったのを覚えている。 だから映画化されていたと知ったときは驚いた。 観てみたら、これがまた素晴らしい。 むちゃくちゃおもしろかった。 まず本作は、いわゆる冒険活劇ではない。 宝探し映画でもない。 どちらかというと“探検”の映画だ。 その違いがとても大きい。 主人公であるチャーリー・ハナム演じる探検家は、伝説の黄金都市を求めてアマゾンへ向かう。 だが映画はそこへ至るまでを実に丁寧に描く。 軍人としての立場。 家族との関係。 当時の階級社会。 学会との対立。 探検への執着。 これらをじっくり積み上げる。 だからこそ、開始からしばらく経って、 「よし、お前らアマゾンへ行くぞ!」 となった瞬間のテンションがとんでもない。 ここまでの積み重ねがあるから、観客も一緒に出発する気持ちになるのだ。 普通ならそこがクライマックス前の山場になりそうだが、本作はそこからが本番。 まだまだ続く。 しかも派手な見せ場を連発するわけではない。 粛々と進む。 淡々と進む。 しかし、その時間が実に心地良い。 探検隊の苦労。 未知への恐怖。 文明と未開の境界。 そして何より、人が何かに取り憑かれていく怖さ。 そうしたものが静かに描かれていく。 ああ、硬派だ。 こういう映画をたまに無性に観たくなる。 派手なCGもない。 世界を救う話でもない。 それでも夢中になる。 映画の力ってこういうところにもあるんだなと思う。 また今観るとキャストもかなり豪華だ。 主人公の相棒にはロバート・パティンソン。 当時はまだ現在ほどの評価を確立する前だったが、今見ると「後のバットマンがいる!」と驚く。 さらに主人公の息子役にはトム・ホランド。 こちらは後のスパイダーマン。 今振り返ると、かなり贅沢な顔ぶれだ。 でも誰もスター映画として演じていない。 作品の空気にしっかり溶け込んでいる。 そこも好感が持てる。 そしてラスト。 これがまた良い。 賛否はあるかもしれない。 だが、この物語はあの終わり方だからこそ伝説になる。 史実をベースにした作品だからこそ生まれる余韻もある。 『ロスト・シティZ』は、失われた黄金都市を探す映画でありながら、本当は人間の探究心そのものを描いた作品だと思う。 冒険映画というより探検映画。 ロマン映画というより執念の映画。 派手さはない。 しかし見終わったあと、確かな満足感が残る。 こういう硬派な作品、もっと評価されてほしい。隠れた傑作である。
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- 作成日時:
- 2026/06/09 21:46
ロスト・シティZ 失われた黄金都市
この原作小説を昔読んでたんですよ。本の価格がなかなか高くて、でもそれに満足できる内容でむちゃくちゃスゴイものを読んだという思い出がある。そしてふと映画化されていたことを知り、そりゃ見るしかない。いやはやコレ、なんで話題にならなかったのよ。自分も存在知らなかったのが悔しい。むちゃおもしろい。しっかりとした硬派な冒険映画。本編時間は長めだけど、粛々とそして丁寧に描かれるもんだから見やすい。そして開始から1時間ほど経ち、お前らアマゾンへ行くぞ!となったときのテンションの上がりようですよ。そこからメインなんすけどまだまだ続く良質な時間が嬉しかったね。いろいろある、いろいろあるのよ。冒険と言えない冒険のようなもの。あー硬派!こういう硬派なのも見たいんですよ!!しかも今この時代に見るとキャストが豪華。バットマンとスパイダーマン出てる。
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