
素顔を見せないからこそ伝わる──『Vフォー・ヴェンデッタ』の圧倒的な完成度
『Vフォー・ヴェンデッタ』は何度見ても凄まじい。原作コミックもシビれるほどおもしろいのだけど、実写化された今作も相当な出来栄えだと思う。 原作はかなり丁寧に描かれている作品なので、そのまま映像化しても成立しそうな気もする。しかし今作は単なる再現にはなっていない。制作陣なりの解釈をしっかり加えながら、原作とはまた違った魅力を持つ作品として成立させている。このバランス感覚が本当に上手い。 冒頭の爆発シーンから一気に引き込まれるし、終盤のナイフアクション無双から大爆発まで娯楽映画としても非常に見応えがある。それでいてドラマ部分の濃厚さもしっかり残っている。派手なだけではなく、どこか安心感のある「ちゃんとした映画」を観ている感覚があるのだ。 中でもやはり印象的なのはイヴィーの監禁から独房での手紙のエピソードだろう。あのシーンは本当に素晴らしい。監禁されてから真実が明らかになるまで、ずっと鳥肌が立っていた。そして、その結果として見せられるVの涙。あそこは何度見ても胸にくる。 また、この映画の凄いところは最後までVの素顔を見せないことだ。普通ならどこかで顔を見せたくなるし、観客も見たくなる。しかし今作は徹底して見せない。その判断が作品の格を一段引き上げている気がする。 なぜなら、この映画において重要なのはVが誰なのかではないからだ。素顔も本名も関係ない。思想や意志、そして行動そのものが重要なのだと、エンドクレジットに入る頃には自然と理解させられる。だから最後には「顔なんてどうでもよかったな」という不思議な気持ちになる。 こういうテーマ性の強い作品は、一度観たら満足してしまうことも多い。しかし『Vフォー・ヴェンデッタ』は違う。政治や思想の話でありながら、娯楽映画としても完成度が高いので何度でも見返してしまう。見るたびに新しい発見もあるし、純粋に映画としての気持ちよさもある。 原作への敬意、映像化としての工夫、娯楽性とテーマ性の両立。そのどれもが高いレベルで成立している。コミック映画としても、SF映画としても、そしてドラマ映画としても見事な一本。何度見ても感心してしまう傑作だ。
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- 作成日時:
- 2026/06/19 22:43
Vフォー・ヴェンデッタ
いやぁ凄まじいね。何度も見れるこのクオリティ。原作コミックもシビれるほどおもしろいけども、実写化した今作も相当おもしろい。コミック自体、かなり丁寧に描写しているんだけど、それを単に真似して映像化しておらず、制作側の上手い解釈で別物として楽しめる作品になっている。冒頭の爆発シーンからラストのナイフアクション無双や大爆発まで娯楽性もありながらドラマ部分の雰囲気もしっかり出している。濃厚というのか安心感というのか、マトモな映画って感じ。イヴィーが独房で手紙を読むシーンが素晴らしい。監禁の件は最初から最後まで鳥肌が立つ。その結果がVの涙だなんて! 最後までVが素顔を出さない徹底ぶりがまた映画の質を底上げしている。素顔なんてどうでもいいと、エンドクレジットに入るとそれは意味がないことだと悟るような、そんな気持ちになる。この手のテーマはおもしろくても1回見たらまた見るのは躊躇してしまう作品も多いけど、この映画は何度も見てしまう。見事だよ。
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