
「ヤニ」のつく2本が同じ夏にアニメ化、温度がこんなに違う
ヤニ、という言葉がこんなに画面に映えるとは思っていなかった。「ヤニねこ」と「スーパーの裏でヤニ吸うふたり」、どちらも話題になりそうな作品だと感じます。並べてみると同じモチーフを持つ作品なのに、映像になったときの空気がまるで違うんですよね。 片方はX発の獣人コメディ、もう片方は月刊ビッグガンガン発の大人のロマンス。SNS発・ウェブ漫画発の作品がアニメ化されるとき、表現規制との折り合いをどうつけるか、誰に届けるかという問いへの答えが、この2本だけでこんなに多様にある。それが今夏いちばん引っかかっていることで、この記事で語りたいことです。
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- 作成日時:
- 2026/07/06 18:39
ヤニねこ
にゃんにゃんファクトリーさんの原作をヤンマガで読んでいたとき、これがアニメになるとしたらどのように再現するんだろう、とずっと思っていました。 夏吉ゆうこさん演じるヤニねこが、ベランダで煙草をくゆらせながらなにもしない。その「なにもしない」を映像で成立させるのは、思っているより難しいのではと感じていました。 でも実際に観てみると、その心配はわりと早い段階で消えました。汚くてだらしない日常の話なのに、背景の書き込みや動きの丁寧さが予想を超えていて、観た人の声を追うと、作画の気合に驚いたという反応がかなり目立ちます。汚さと美しさが同居するあの妙な居心地の良さは、アニメだからこそ出せた質感だったかもしれません。 それと、配信版の「邪竜解放版」の存在が、面白いと思ったところです。気になった方は「邪竜解放版」のチェックをおすすめします。DMM TV, Huluなど一部で配信されています。 松岡美里さんのヤクねこ、船戸ゆり絵さんのハメねこ、そのやり取りのテンポも含めて、ろくでなしたちの日常がこんなに見やすい形で届いてきたことが、単純にうれしかったです。
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「ヤニねこ」が「なにもしない」時間を映像にした作品だとすれば、こちらはその逆で、「なにかが始まりそうな」時間をずっと映し続ける作品です。 佐藤拓也さんが演じる佐々木が、スーパーの裏で煙草を吸いながら田山と言葉を交わす。ただそれだけのシーンが積み重なっていくんですよね。会社で消耗しきった中年男性が、喫煙所というごく狭い場所でだけ、少し息ができる。その感覚は、仕事帰りに寄ったコンビニの店員さんに「いつものでいいですか」と言われてほっとした、あの瞬間に近いものがあります。 放送前ながら、原作を読んだ人からは仕事に疲れた大人層に刺さるという声が複数上がっていて、アニメ化でその空気がどこまで再現されるかが注目されています。地主さんの原作が持つ「ふたりの距離感の絶妙さ」を、鈴木理人さんと森あおいさんがどう映像に落とし込むか。この作品の場合、「間」をどう描かれるかを問われる気がします。 「ヤニねこ」が過激さの再現を配信版で担保した一方、こちらは静けさそのものが原作の核にある。7月9日の放送が、どんな温度で届くのか。今から楽しみで待っています。
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