
《 仲野太賀 》すべてを注ぎ込む演技。
表情だけでなく、体の動きも、息づかいも、全身のすべてを注ぎ込んで人物になる。《 仲野太賀 》さんの演技を観るとき、私はいつもそう感じます。恐怖も覚悟も喜びも、抑えることなく全身から溢れ出てくる。その姿が、仲野さんの演じる人物を誰よりも生きているように魅せるのだと思います。カンヌ国際映画祭「ある視点」部門で審査員賞を受賞した「淵に立つ」から、「すばらしき世界」での第76回毎日映画コンクール男優助演賞、「十一人の賊軍」での第46回ヨコハマ映画祭主演男優賞まで。どの役を演じても、仲野さんがそこにいると「この人間は本当に生きている」と私には感じられました。今回は、《 仲野太賀 》さんが全身で役に飛び込んだ厳選作品をご紹介させていただきます。
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- 作成日時:
- 2026/07/17 15:57
すばらしき世界
第76回毎日映画コンクール男優助演賞、第64回ブルーリボン賞助演男優賞を受賞した西川美和監督作品。役所広司さん演じる元殺人犯の社会復帰を追うテレビ制作会社の若手・津乃田龍太郎を仲野さんは演じています。記録者として三上の人生に関わりながら、少しずつその重さに引き込まれていく青年の変化を、仲野さんは台詞より先に顔の表情の変化で感じさせてくれました。役所広司さんという圧倒的な存在の傍らで、揺れながらも自分の場所を保ち続ける——仲野さんはその難しさを感じさせないほど自然にそこに存在していました。
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すばらしき世界の★評価を入力する淵に立つ
第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門審査員賞を受賞した深田晃司監督作品で、第38回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞を受賞した仲野さんのキャリアを語る上で欠かせない一作。平和な家族のもとに旧友が現れ、日常が静かに崩れていく物語で、仲野さんが演じた山上孝司は、浅野忠信さん演じる謎の人物に翻弄されていく夫です。笑顔の下に積もっていく不安と疑念を、言葉にせずに体に宿らせていく演技が、作品全体の緊張感を底から支えていると感じました。
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淵に立つの★評価を入力する桐島、部活やめるってよ
第36回日本アカデミー賞最優秀作品賞・最優秀監督賞、第86回キネマ旬報ベスト・テン日本映画第1位を受賞した吉田大八監督の傑作群像劇。神木隆之介さん、橋本愛さん、松岡茉優さんら豪華キャストが揃う中、仲野さんは映画部員・小泉風助を演じています。主人公でも中心人物でもないこの役で、仲野さんはその場の空気を読みながら立場を探る高校生の不安定さを自然に体現していました。群像劇という構成の中でも、仲野さんがいるシーンには確かな人間の重さが宿っていたと感じました。
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桐島、部活やめるってよの★評価を入力する十一人の賊軍
第46回ヨコハマ映画祭主演男優賞を受賞し、第37回東京国際映画祭オープニング作品に選出された白石和彌監督作品。山田孝之さんとのW主演で、1868年の戊辰戦争を背景に命がけで砦を守る罪人・鷲尾兵士郎を演じています。直心影流の剣術道場主という役に向け、撮影半年前から殺陣の稽古を積んだ仲野さんは、戦いの場面での迷いと覚悟を、身体と目の動きで表現していました。大きな興行的成功を収めた本作の感情的な核を、仲野さんが確かに担っていたと感じました。
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十一人の賊軍の★評価を入力するONODA 一万夜を越えて
第74回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門オープニング作品に選出されたアルチュール・アラリ監督の日仏合作映画。終戦を知らずジャングルで30年間戦い続けた小野田寛郎元少尉の実話で、仲野さんはその小野田を発見・帰還させた青年探検家・鈴木紀夫を演じています。歴史的事実を背負いながら、鈴木という人物の純粋な好奇心と行動力を、仲野さんは思わずそうしてしまうような自然さで伝えていました。国際的な舞台でも揺るがない仲野さんの「実在感」を、改めて感じた作品でした。
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ONODA 一万夜を越えての★評価を入力する泣く子はいねぇが
是枝裕和が企画し佐藤快磨監督が長編デビューを果たした作品で、仲野さんが主演を務めています。秋田・男鹿半島を舞台に、ナマハゲの夜に全裸で街を走り妻に愛想を尽かされた青年が、娘に会うために変わろうとする物語。後藤たすくというどこか抜けた、でも根っこに愛がある人物を、仲野さんは恥ずかしさも情けなさも全部さらけ出しながら演じていました。その「隠さない」演技が、物語の体温をそのままこちらに届けていたと感じました。
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泣く子はいねぇがの★評価を入力するある男
第46回日本アカデミー賞最優秀作品賞をはじめ8部門で最優秀賞を受賞した石川慶監督・平野啓一郎原作の映画化作品。妻夫木聡さん演じる弁護士が素性を追う「謎の死んだ男」の正体・本物の谷口大祐を仲野さんが演じています。ほとんど断片としてしか登場しないにもかかわらず、その人物が「なぜ別人として生きたかった」のかが、仲野さんの短い場面から滲み出てくる。語りすぎない表現の中に物語の核心を宿らせる演技の密度に、私は深く没入してしまいました。
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ある男の★評価を入力するあの頃。
今泉力哉監督による2021年公開作で、2000年代のハロー!プロジェクトオタクの青春群像劇。仲野さんは実在の人物をモデルにした、末期肺がんを患うハロプロファン・コズミンを演じています。松坂桃李さん演じる主人公を中心とする友人グループの中で、病と向き合いながらも笑い飛ばそうとするコズミンの存在が、物語に切なさと温かさを同時に与えていました。生と死を大げさにせず、ただその人として在り続けた仲野さんの演技が、長く心に残っています。
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2018年に日本テレビで放送された西森博之原作の不良コメディドラマ。仲野さんが演じた今井勝俊は、主人公たちのライバルにして後に相棒となる強面の不良です。コミカルでありながら、どこまでも真剣な今井の「不器用な義理人情」が、仲野さんの表情の豊かさと絶妙に噛み合い、視聴者の間で「今井くん」として強く愛されました。シリアスな作品での評価が高い中、コメディをも全力で演じる仲野さんの幅の広さを感じた作品でした。
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今日から俺は!!劇場版の★評価を入力する虎に翼
2024年のNHK連続テレビ小説で、伊藤沙莉さん演じる主人公の夫・佐田優三を演じています。朗らかで誰よりも妻を信じ、出征して戦病死するという悲劇的な役どころで、仲野さんは優三の純粋な愛情と別れの切なさを、感傷に溺れることなく真っすぐに届けていました。「優三ロス」という言葉が視聴者の間で生まれるほど愛されたこの人物が、仲野さんの演技によって確かな存在として伝わってきたと感じました。
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