
「学校」をテーマに編集部が厳選した9作品
「学校」をテーマに、Rakuten PLAY編集部がおすすめ作品を徹底レビュー。 青春、友情、恋愛、部活、先生、血と絶望の教室など、編集部員それぞれの「学校」に対する想いが詰まったバラエティ豊かな作品たち。新学期、何か新しいことを始めたいあなたも、過去の「学校」生活を懐かしみたいあなたも、きっと楽しめる作品が見つかるはず! Rakuten PLAY編集部が贈る、「学校」作品の世界を、ぜひご堪能ください。 ■おすすめしている9作品 ①バトル・ロワイアル ②5月の花嫁学校 ③Angel Beats! ④私のIDはカンナム美人 ⑤学校 ⑥世界のはしっこ、ちいさな教室 ⑦スクール・オブ・ロック ⑧少年の君 ⑨ミーン・ガールズ (2024)
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- 作成日時:
- 2025/04/28 11:00
- 更新日時:
- 2025/04/28 11:06
バトル・ロワイアル
- 制作年:
- 2000年

【編集担当:ピンク・パンダーX】 「学校」というテーマに即しているかわからないが『バトル・ロワイアル』をおすすめしたい。 言わずと知れた深作欣二監督の衝撃作品。『ねえ、友達殺したことある?』 『今日はみんなに、ちょっと殺し合いをしてもらいます』『神様、冗談だったら、やめてください』『友達殺しちゃった』などの秀逸なキャッチコピーに見合った、暴力描写満載で当然のごとく映倫R-15指定である。中学生同士のデスゲームという原作と、2000年代当時の少年犯罪に対する社会的関心の高まりも重なり、映画の規制について国会で討議される事態にも発展した。結果的にさまざまな相乗効果で関心を集め、興行収入30億円を超えるヒットにも繋がった。 ストーリー的には単なるエンタメではなく、メッセージ性のある作品となっている。近未来を舞台に、政府が制定した「BR法」に基づき、中学生たちが無人島で互いに殺し合うという過酷な状況を創り出した。主人公・七原秋也(藤原竜也)を中心に、彼を取り巻く多くのキャラクターたちもまた、各々の背景や葛藤を抱えている。 特に印象的なのは、キタノ役を演じるビートたけしの存在。3年B組の前担任であり、学級崩壊と家庭崩壊の板挟みになっていた過去を持つ。なかでも彼が娘と電話をするシーンがあり「人のこと嫌いになるってのはそれなりの覚悟しろってことだ」と捨て台詞を吐き拳銃で携帯電話を撃ち抜く。 思春期の子供を育てるというのは大変なこと。嫌われようが、どんなに酷いことを言われ傷つこうが、それでも親という存在でいなくてはならない。それ以上にさまざまな面で家庭を維持するカロリーは半端ない。ホリエモンこと堀江貴文氏が、ある動画でこうコメントしている。 「お父さんが休日に、家で寝ているのはなぜかというと、毎日朝から晩まで仕事をして、平日は寝る時間がなくて、土日に寝だめをしている。それを奥さんや子供が理解していない。わずかな小遣いで、それでもお父さんは文句を言われる。ドMで我慢するから家族が調子に乗る。家でのお父さんの地位の低さは高くした方がいい。世の中のお父さん抵抗し自分たちの地位をあげましょう」と。 少なからず堀江氏に同調する筆者ではあるが、ビートたけし演じるキタノには、そういった父親の悲哀、内面の葛藤と、家庭における責任感が垣間見られる。親としての苦悩や、子どもに対する期待と失望が交錯し、父親という存在価値が認められなくなった限界の先には崩壊とリセットがあることを家庭に属するものすべての人間が理解すべきだと、筆者は切に感じる。 この映画を観ると、若者たちが抱えるストレスやプレッシャー、過酷な現実から逃れたいという願望は計り知れないが、人が殺し合うリセット願望を容認する部分があることに気づいた。深作欣二監督も同じことを言っている。この映画は、そのような願望が極端な形で具現化されたものであり、観る者に強烈なメッセージを投げかける。 血みどろの教室、友情の崩壊、鳴り響く銃声。そして身勝手な「生きたい」という願い。 極限の状況に置かれたときに人はどんな行動をとるのか。 ぜひ血と絶望の教室という異形の「学校」を通して、極限状態での人間の本質に触れてほしい。
5月の花嫁学校
- 制作年:
- 2020年

【編集担当:お気楽ヤマウチ】 個人的に名づけるならば、『フランス版 虎の翼 ✕ ハリーポッター、ときどき昼ドラ』。 全寮制の花嫁学校を舞台に、学生も先生も、誰もが抱える新生活への期待と不安が小気味良く描かれており、春から新生活を送るすべての学生や若者ににおすすめしたい作品です。筆者も全寮制の学校に行っていたので、同じ年代の子と夜を迎えるワクワク感などが上手く表現されており、思わず共感してしまいました。また、随所にフランスらしい風刺が満載でシニカルな表現がちりばめられているのもオススメのポイント。 この映画の時代設定は1967年の五月危機前。パリではド=ゴール政権への風当たりが強くなっており、その政治的な流れはフランスのドイツ境にある田舎町のアルザス地方にも(現在は欧州議会がありEUの政治の中心地)。近隣のヨーロッパ諸国と比べて、100年ほど遅れて参政権を持ったフランスの女性達(驚くことに、日本とほぼ同時期の1944年の出来事)の価値観はなかなかアップデートされることもなく、閉鎖的な家政学校で「良妻賢母」を徹底的に教え込むという文化は1960年代でも根強く残っていたようです。 反政府運動に加えて、女性解放運動が盛んになりつつあるフランスで、家政学校の存在意義を問う声も多い中、厳しいルールを強いる先生、歴史を感じる校舎、豊かな緑と畑、厳しいながらも高めあう青春物語…かと思いきや、たばこをふかすシスター、女性の生き方に疑問を持ち始める生徒たち…伝統的な花嫁の理想像を教える学校のはずが、もう夫に殴られない!私たちには選ぶ権利がある!ピルをよこせ!などと、その理想像を鼻で笑わせてくれる滑稽さに、新生活での不安が少しずつ溶け出していくことでしょう。映画を観てる最中は、ドラクロワの絵画『民衆を率いる自由の女神』が何度も脳内を横切ります。 少しばかりのユーモアを交えながら、若さと未熟さをばねに成長する姿に、きっと勇気がもらえるはずです。新しい生活が始まる春休み、学生だけでなく、社会人の新たな門出を迎える方々にもぜひ見てほしい一作です。
Angel Beats!
- 制作年:
- 2010年

【編集担当:トゥルーマン翔】 舞台は、死後の世界にある学校。そこで目覚めた少年・音無は、自分が死んでいること、そしてこの世界が「死んだ世界戦線(SSS)」と呼ばれる組織と、神の使いである天使との戦いの場であることを知らされます。SSSのリーダーであるゆりは、神に反逆するため、天使と戦い続けていました。音無は、自分が何をすべきか分からぬまま、SSSに加入し、戦いに身を投じることになります。しかし、この世界の真実、そして仲間たちの抱える過去を知るにつれて、音無の心境は変化していくのでした。 本アニメの製作には、“泣きゲー”の象徴でもある株式会社ビジュアルアーツのゲームブランド・Keyが携わっています。Keyが輩出したゲーム『AIR』、『CLANNAD』、『リトルバスターズ!』などは全てがアニメ化に成功しており、涙腺崩壊アニメといえばこれらの作品が思い浮かぶ方も多いはずです。自身も『CLANNAD』は人生の教科書といっても過言ではないほど大好きな作品で、バスタオルが必要なくらい泣いた記憶があります。 そして『Angel Beats!』も例にもれず、泣けるアニメの代表格となっていますが、『Angel Beats!』は泣けるだけじゃありません。 ここまで読むと、「なんだ、学校と関係ないじゃんっ」と思う方も多いですが、様々な学校行事を背景とした、日常パートやギャグシーンが多いのが見どころとなっています。例えば、球技大会や定期考査、卒業式など多くの方が学生時代に1度は経験した行事が登場します。定期考査では、SSSのメンバーたちがとある理由によって、どのようにして真面目に試験を受けないかを考え、奮闘する姿がめちゃくちゃ面白いです。 また、『Angel Beats!』はOP、ED曲、挿入歌のクオリティが高いことでも有名です。ストーリーが進む中で、SSSのメンバーの中で「ガルデモ」というバンドが登場します。彼女たちが、体育館でバンド演奏を披露するシーンがいくつか登場しますが、彼女たちの歌う『Crow Song』、『Alchemy』、『My Song』はどれも良曲で、挿入歌のシーンだけ巻き戻して観るほどでした。また、ガルデモのメンバー、ユイの歌唱シーンはなんとLiSAが担当しています。近年でも『紅蓮華』で大ヒットを記録しましたが、アニメが放送された2010年の当時から、LiSAの歌声はすさまじく迫力満点でした。 そして最後に、『Angel Beats!』の最大の見どころは複雑かつ劇的なストーリー性です。主人公の音無含め、SSSのメンバーはなぜこの世界に迷い込んだのか、また彼らはなぜ若くして死んでしまったのか、天使と呼ばれる存在の正体や、SSSと天使が対立している理由など、それらの真実が明らかになった時、感動すること間違いなしです。ぜひバスタオルをご用意の上、ご覧ください!!
私のIDはカンナム美人
- 制作年:
- 2018年

【編集担当:K-ラブ木南】 2018年に韓国で放送された青春ラブコメディ『私のIDはカンナム美人』。 容姿が原因でいじめを受けていたカン・ミレが、大学入学を機に整形手術をし、学校生活での新しい人間関係を通して成長していくストーリー。主人公カン・ミレ役をイム・スヒャン、ミレの同級生で、頭脳明晰なイケメン大学生ト・ギョンソク役をチャ・ウヌが演じています。 本作は、外見至上主義がはびこる現代社会について考えさせられる作品です。 容姿のコンプレックスを克服したはずのミレを待ち受けていたのは、人間関係の難しさ。喜びと同時に、容姿への嫉妬や裏切りを経験し、ミレは人間関係の本質を学んでいきます。これまで外見ばかりを気にしてきた彼女が、内面の重要性に気づき、容姿だけで人を判断することの愚かさを痛感させられます。そんなミレの姿を通して、外見至上主義に疑問を投げかけ、内面の美しさの大切さを教えてくれる作品となっています。 そして、ミレの過去を知っても、変わらず彼女を理解し、内面を愛してくれるギョンソクとの出会いも本作の大きな見どころ!クールに見えて実は優しいギョンソク。時折見せる優しい笑顔のギャップに胸キュン必至です。大学生ならではの、キラキラしたキャンパスライフと甘酸っぱい恋愛模様に、心がときめくこと間違いなし! 新年度が始まり1ヶ月が経ちましたが、人間関係に悩んでいる人にぜひ観ていただきたい作品です。 自分自身を見つめ直し、自分と誠実に向き合ってくれる人と出会って心豊かな生活を送れるように、一緒に頑張りましょう!
学校
- 制作年:
- 1993年

【編集担当:Koji】 テーマが「学校」ということなら、最初に頭に浮かぶのがタイトルそのままの『学校』である。 「松竹株式会社 創業百周年記念作品」として製作された本作。 夜間中学校を舞台に、教師と生徒たちの群像劇を『男はつらいよ』の山田洋次監督が、映画数本分の密度でもって描くヒューマンドラマ。 昨年亡くなった名優・西田敏行が、本作の主演として夜間中学の国語教師・黒井先生を演じている。 自身のお国言葉(福島弁)で語りかける西田敏行扮する先生は、非常に親しみやすい。熱心だけれどダメなところも垣間見られる人間的な教師だ。 黒井先生の授業で「卒業文集」にのせる作文を書くところから物語は始まる。 原稿用紙に向き合いながら自分たちの過去を振り返る生徒たち。 孫もいるような年齢で学校にやってきた在日韓国人の女性、不良少女、笑顔をなくした不登校の生徒……。 映画は教師との関係を軸に、生徒たちの背景を描いていく。 年齢、国籍関係なく、みんな事情があってこの学校にやってきただけに、それぞれのエピソードは見ごたえがある。 なかでも本作で日本アカデミー賞最優秀助演男優賞を受賞した田中邦衛が演じる「イノさん」のストーリーは、本作の要である。 「幸福」とは、「学ぶということ」とは、そして「学校」とは……。 学びたいという人間がいる限り、いつの時代に観ても変わらない傑作ではないだろうか。
世界のはしっこ、ちいさな教室
- 制作年:
- 2021年

【編集担当:お試し係B】 学校に通うことすら困難な環境に生きる子どもたちと、彼らに教育の機会を届けようと奮闘する3人の教師を追ったドキュメンタリー映画。 登場するすべての教師に共通するのは、教育の力を誰よりも深く理解しているという点。だからこそ、彼らの情熱は尋常ではない。目の前の子どもたちの未来を本気で案じ、貧困や社会的制限に縛られた日常から脱却するための手段として、教育を手渡そうとする姿には胸を打たれる。 とりわけ印象に残ったのは、作中で語られた「学んだ先の未来では自由が約束されている」という言葉である。裏を返せば、学ばなければ自由はないという現実がある。この言葉には、教育の意義とその重みが凝縮されているように感じた。 「勉強は何のためにするのか?」という問いに対して、この作品はひとつの力強い答えを提示している。学ぶことの本質や希望の種を、静かに、しかし確かに伝えてくれる作品である。
スクール・オブ・ロック
- 制作年:
- 2003年

【編集担当:清 澄(きよしすます)】 「学校」がテーマの映画としては、ロックの学校『スクール・オブ・ロック』を外すわけにはいかない。本作で元バンドマンの落ちこぼれ教師デューイを演じるのは、現在公開中の映画『マインクラフト/ザ・ムービー』でも主演を務めるジャック・ブラック。生徒から慕われてはいるけど尊敬はされていないという、絶妙なポンコツ感を見事に演じている。デューイが住むアパートの汚いけど音楽が好きなことが一発でわかる部屋も最高だ。学校や保護者から疎まれながらも生徒とバンドコンテスト出場を目指すストーリーは、大人になった今こそデューイ側の目線で楽しめる。デューイも教師という立場ながら、生徒と一緒に青春を送っているのだ。どの世代にも通じる普遍的でアツくなる物語をぜひ体感してほしい。
少年の君
- 制作年:
- 2019年

【担当:K9153】 香港のアカデミー賞と言われる香港電影金像奨で作品賞・監督賞・主演女優賞を含む8冠を獲得、第93回アカデミー賞国際長篇映画賞にノミネートされた作品。 「学校」がメインテーマの作品ではないですが、社会に存在するヒエラルキーや厳しい競争社会が、学校内のいじめ問題や受験戦争を通して描かれていて、ぐさっと胸に突き刺さります。 後味は決していいものとは言えないけれど… 主演のチョウ・ドンユイとイー・ヤンチェンシーの演技がとにかく素敵で、引き込まれる作品です。
ミーン・ガールズ (2024)
- 制作年:
- 2024年

【編集担当:エミリアたん推し】 スクールカースト満載のザ・アメリカンスクールライフと言えばこれ! 女の子のバチバチのマウント合戦をこれでもか!と詰め込んだ学園コメディです。 原題:Mean Girlsの“mean”は動詞の“~の意味を表す”ではなく、“意地悪な”という形容詞。アフリカから転校してきた主人公は都会の学校で”意地悪な女の子達”である、学校内でも超モテモテの女の子たち“プラスチックス”と出会い、全く違う環境に戸惑いながらもなんとか馴染んでいこうと頑張る話です。 皆さん人生で一度は学校での人間関係に悩んだ過去があるのではないでしょうか。 クラスの中である程度グループができたり、ある人と仲良くしてたら別の人からハブられる(死語)とか……大変でしたよね(笑)そんな学校ならではの人間関係を描いている作品です。 実はこの2024年版はリメイク版で、元は2004年にリンジー・ローハン主演で公開された映画です。『マンマ・ミーア!』でお馴染みのアマンダ・サイフリッドも出ています。 ちなみに、3月から公開中の映画『ウィキッド ふたりの魔女』でも主演のアリアナ・グランデは自身の「サンキュー、ネクスト」のMVでこの『ミーン・ガールズ』のパロディを使ってます。プラスチックスのアリアナ、めちゃくちゃかわいい。 2024年版は現代に合わせて上手くリメイクされていますが、ストーリーの本質や伝えたいことは変わらず、一番自分らしくいられる環境や友達を大事にしたいなと思える作品になっています! ぜひ人間関係に悩んだらこの作品を見てみてください!