
GACKT月9初主演『ブラックトリック~裁きを操る弁護人~』平均視聴率6.2%
「GACKTが月9で主演」と聞いた時点で、正直どんなドラマになるのか予想がつかなかった。フジテレビ初出演にして月9初主演、しかも役は弁護士。しかも弁護士でありながら一級建築士でもあるという、聞いただけで一癖ある設定。7月20日にスタートした『ブラックトリック~裁きを操る弁護人~』を初回から観て、思っていた以上に癖の強い痛快さがあった。 **作品情報** - 放送局:フジテレビ系「月9」 - 放送開始:2026年7月20日(毎週月曜 午後9:00〜9:54) - 脚本:吉髙寿男ほか(完全オリジナル) - 主題歌:GACKT「STAND ALONE」 主人公の浦真鷲直人(GACKT)は、天才敏腕弁護士でありながら一級建築士としても働く異色の経歴の持ち主。「でっち上げの天才」と呼ばれるほど、うそを武器にして依頼人を救うタイプのダークヒーローだ。正攻法で真実を追う王道の弁護士ドラマとは真逆のアプローチで、法廷劇というよりは知略戦を観ている感覚に近い。 そこに監視役として送り込まれるのが、麻生縁(志田未来)。うそも辞さない浦真鷲の戦術を軽蔑しながらも、事件を追ううちに振り回されていく立場で、この二人の対比がドラマの軸になっている。縁の上司でコルディア総合法律事務所代表の森木銀次(生瀬勝久)、浦真鷲の建築事務所側からは土生洸太(神尾楓珠)と鯖山周平(戸塚純貴)が絡み、さらに大物政治家の古瀬義親(北村一輝)まで登場するとなると、初回だけでもかなり情報量が多い。 さて、ここまでの平均視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区)は世帯6.2%、個人3.7%だったことが分かった。月9という看板枠、GACKTという初出演かつ初主演のキャスティング、そして弁護士×一級建築士という異色設定を踏まえると、正直この数字だけを見て「振るわなかった」と結論づけるのは早計だと思っている。 というのも、このドラマの魅力は「弱者を救うために建築事務所チームを使い、緻密なわなで敵を追い詰める」という、王道の逆を行く構成にある。全体像が飲み込みにくいタイプの作品は、数字が伸び悩んでいても口コミで評価が後から追いついてくるパターンをこれまでにも何度か見てきた。GACKT自身が主題歌「STAND ALONE」を歌っているというセルフプロデュース感も含めて、このドラマは「数字」よりも「この先どう転がるか」で評価したい一本だと思う。 第2話では、縁が体罰事件で逮捕された中学教師の依頼を引き受け、体罰動画が仕組まれたものだと気付いていく展開が描かれるらしい。都議会議員の存在まで絡んでくるとなると、浦真鷲の「でっち上げ」がどう機能していくのか、そこがこのドラマを見極める分岐点になりそうだ。
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- 作成日時:
- 2026/07/22 16:13
翔んで埼玉 〜琵琶湖より愛をこめて〜
映画『翔んで埼玉』(2019年)「埼玉県民は東京都から迫害されている」という理不尽設定を、二階堂ふみ(初の男役)とダブル主演で最後まで本気で貫き切ったバカ映画で、GACKTが真顔でふざけ切る芝居のうまさを味わうならこの一本が分かりやすい。 物語は伝説パートと現代パートの二重構造。転校生の麻実麗(GACKT)と生徒会長の壇ノ浦百美(二階堂ふみ)が、埼玉解放戦線と千葉解放戦線を結んで東京都知事の不正を暴いていく様子を、埼玉在住の菅原家がラジオドラマとして聴いている、という入れ子の作り。伊勢谷友介、中尾彬、京本政樹、竹中直人ら脇のベテラン勢の密度も高く、コメディなのに画面の情報量がやたら濃い。 面白いのは、この映画が公開前に埼玉県知事(当時)への表敬訪問を経て、実質"公認"を得ていたという裏話。県をディスる内容にもかかわらず苦情はほとんど来ず、逆に「よくやってくれた」という評価が多数届いたそうで、2019年8月の埼玉県知事選挙では投票率向上の啓発広告にまで採用された。 第43回日本アカデミー賞で最優秀監督賞・脚本賞など多数受賞しているあたり、ただのネタ映画では終わらなかった一本として観てほしい。
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