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映画『国宝』で人間国宝・小野川万菊を演じた「田中泯」のスクリーンデビュー作!

映画『国宝』で人間国宝・小野川万菊を演じた「田中泯」のスクリーンデビュー作!

2025年6月6日公開の映画『国宝』が大ヒット中。 吉田修一の原作小説を『フラガール』『悪人』などの李相日が監督した『国宝』は、昭和の上方歌舞伎界を舞台に、任侠の一門に生まれた男・喜久雄(吉沢亮)が「女形」としての才能を開花させ、名門の家系で生まれたライバルであり親友の俊介(横浜流星)とともに切磋琢磨しながらも、その「才能」と「血筋」に翻弄され、歌舞伎界を生き抜いていく人間ドラマである。 筆者の鑑賞時の感覚では上映時間3時間はあっという間。なんなら「もっと観たい!」と思わせてくれる魅力に溢れている(個人的には特に『二人藤娘』あたりを……!) それくらい彼らの「女形」としての舞踊、演技、そして生き様は本当に見応えがあった。 映画『国宝』で、そのタイトル通りの人間国宝である歌舞伎役者・小野川万菊を演じるのが田中泯。 少年・喜久雄が初めて目にする万菊の演目「鷺娘(さぎむすめ)」は、ダンサーである田中泯の存在感あってこそ、映画の中でも象徴的に描かれていたシーンだった。 1945年生まれの田中泯は国内外で活躍する舞踊家だが、俳優としてのデビューは2002年。57歳の時だった。 今回ご紹介するのは、そのスクリーンデビュー作『たそがれ清兵衛』。 『男はつらいよ』で知られる巨匠・山田洋次監督が初めて手掛けた本格時代劇映画で、彼は俳優としてデビュー。日本アカデミー賞 最優秀助演男優賞を受賞する。 『国宝』だけでなく、どの作品でもその唯一無二の気高い存在感で、観客の記憶に残る俳優・田中泯。 その鮮烈なデビュー作は他にも魅力が詰まっている映画だけに、ぜひご覧いただきたい!

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  • 作成日時:
    2025/07/02 17:18
    更新日時:
    2025/07/02 17:21

たそがれ清兵衛

制作年: 
2002年
たそがれ清兵衛

庄内地方の下級武士・井口清兵衛(真田広之)は、妻を病で亡くし、二人の娘と老いた母を養っていた。 清兵衛は、貧しい暮らしの中で月代を剃る暇もなく、身なりも決して綺麗とは言えない。城勤めが終わるとすぐに帰ってしまう彼のことを、同僚たちは「たそがれ清兵衛」と揶揄していた。 ある日、幼なじみの朋江(宮沢りえ)を暴力夫から助けた清兵衛は、その剣の腕前を藩内で知られるようになる。そして藩命により上意討ち(主君の命令によって罪人を討つこと)の討手に任命されてしまう清兵衛。相手は一刀流の使い手・余吾善右衛門(田中泯)。清兵衛は朋江への想いを胸に、死を覚悟して余吾の屋敷へと向かう――。 『男はつらいよ』で知られる山田洋次監督が、藤沢周平原作の短編小説の数篇を合わせて練り上げた脚本で、自身初の時代劇に挑戦した本作。 真田広之、宮沢りえという山田作品初参加の俳優陣に加え、物語の肝となる余吾善右衛門を演じる役者は、山田監督が公演を観たことがきっかけでオファーしたダンサー・田中泯。57歳にして、本作が田中泯のスクリーンデビュー作となる。 限りなくリアルを目指した時代劇として、庄内地方の武士の生活を再現することに注力したことが伺える本作は、衣装、家屋、食事での食器の扱い、城内の仕事風景、そしてクライマックスの殺陣にまで細部に及ぶ。 中でも清兵衛(真田広之)と余吾善右衛門(田中泯)の一騎打ちのシーンは、殺陣の構築から撮影まで約半月かけて完成度を高めたと言われている。 日常の中にある武士の誇りや家族愛を丁寧に描いた作品だが、田中泯の異質な存在感が、ただでは終わらない狂気を漂わせ、最後の最後まで気が抜けない仕掛けとなっていた。 どの作品でも圧倒的な雰囲気を放つ、俳優・田中泯のキャリアスタートに注目にしてぜひご覧いただきたい。

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