
【鳥居みゆき】夏、終われって思いながら観る映画3選
来ました。いや、もうすでに来てました。なにがって?夏ですよ。 来るかな来るかな、でもいつも来るからさすがに今回は来ないかな、毎年来てるからって今年も来るとは限らないよね、だってベタだもん。 来てました、夏。ズコー! 期待させてごめんなさい。 なんだろう最近春なのにやけに暖かい、ずいぶん春って積極的なのねと思ってたらすでに夏でした。騙されました。 皆さんもそうだと思いますが私どうも夏がちょっと苦手みたいです。ちょっと苦手って言い方よくないですよね。オブラートに包んで言うと、嫌いなんです。嫌い。 外に出るのが本当に辛い。 浮かれた民たちが地上に出たての蝉のように生命を叫ぶ季節、夏。 ぽっちゃりの人に勝手に空調を下げられる季節、夏。 「実はかき氷のシロップって全部同じ味なんだよー」と手垢の付ききった蘊蓄を披露され初耳かのようにそうなんだ!って相槌を打たなければならない季節、夏。 夏、好きになろうと努力したこともありました。 夜に夏を満喫しようと花火ができる公園に行って花火をしたんです。 ファミリーだらけの中、集団に背を向け端っこで1人しゃがんで花火を見つめ楽しくなって大声で笑っていたら、通報されました。放火魔じゃありません。 そこで私気づきました。無理に外に出なくていいのです。家に籠もれば浮かれ族に会うこともないし、空調も自分の温度にしていられるし、かき氷も同じ味に同じ味を重ねレインボーにしたっていいのです。 ただ、やることないとつまんないよね。てことで、皆さん映画を観ましょう。私が思う「夏、終われって思いながら観る映画」3選を紹介します。 夏終われと思っても実際終わったところでまあ、秋も秋で外出るの嫌なんですけどね。
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- 作成日時:
- 2025/07/14 10:31
- 更新日時:
- 2025/07/14 12:17
食人族
- 制作年:
- 1980年
これは後のホラー映画に影響を与えたモキュメンタリー形式の元祖となる映画です。 食人=カニバリズム そう言うと人は、「なんだかグロそうやで」「わい血とか観れへんわ」「そんなことよりアメちゃん食べるか?」というような反応を示すかと思われます。この映画を観たことない人でも、杭が喉に突き刺さった女性のジャケットは、関西の魔法のレストランのステッカーくらい有名なので見た事があると思います。そうです、あの美しい映画です。 食人族をモチーフにした「グリーンインフェルノ」という映画もあるのですがやはり私は食人族の方が好きです。カニバ的には随分ライトなんですが含まれるメッセージが素晴らしいです。 アメリカの若者4人が(つっても若者じゃないおじさんも1人いる) 食人族の生活を撮影するために、ドキュメンタリー映像の制作に行き行方不明となり失踪の真相を探るため、人類学者モンロー教授が、アマゾンへ調査チームとともに向かう。現地では先住民の部族とコンタクトを取りながら、彼らが訪れていた地域を調べていきフィルムを見つけ、そこには若者が面白い映像を撮るために村に火を放ったり残虐な行為を行っていたことや、それに対する報復の様子が映し出されていた。といった話。未開の地にいる野蛮だと言われている食人族よりも文明人の野蛮さの方が目立ち目を背けたくなります。 また真実を映すはずのドキュメンタリーが虚構にまみれていて、この映像を本当に流すのかという教授の問いも、現代社会において一方の視点でしかわからないのにすぐSNSに載せる事への危険性を感じさせてくれて、そして極めつけのラストの教授の台詞にはハッとさせられます。ただのグロ映画ではありません。 「食人族」ご賞味あれ。
刺さった男
- 制作年:
- 2012年
ひょんなことから頭に鉄筋が刺さったまま動けなくなった男のブラックコメディ。 このタイトルを見た時、面白そう!絶対みたい!と思った。刺さった男?観たい観たい!まあ、私の「心に刺さった」んでしょうな。 どんな映画かというと、2年前から失業中の元広告マンのロベルトはその日も面接に落ちふらふらと新婚旅行の思い出のホテルへ。ホテルは廃業しており遺跡が発掘された博物館としてオープンするところだった。マスコミ記者会見で賑わう中、立ち入り禁止の階に行き出口を探すが、脚を滑らせ落下。鉄筋が後頭部に刺さって動けなくなる。 刺さった鉄筋は脳に達している可能性もあり、抜くと命が危ない。だから動かせない。ならこの最悪な状況を金にしよう。 さすが元広告マン、自分の売りをわかってらっしゃる。 一本の鉄の棒が刺さったまま一歩も動けない男のまわりでぐねぐねと人間模様が動いていくんだけど、この刺さった男の家族がまあ素晴らしい。 家族はみんなこの主人公のことを愛していて、主人公も家族のことを思っている。それが故に衝突もする。刺さった男を利用しようとするマスコミたち。マスコミを利用しようとする刺さった男。プラマイゼロ。ずっと優しく前向きに支えてきた夫人が初めて叱責する。愛する夫の為に。 こんな関係ができてたら私も離婚しなかったのかな。ははは。 近距離で携帯で写真撮ってメディアに売りつける若い警備員、退屈な仕事だと電話で愚痴る救急隊員、「今俺映ってた?」と電話で確認するお医者さん。 携帯携帯みんな携帯。本当に嫌んなる。って思ったところで奥さん携帯叩きつけたー!気持ちいいー!勢いで私も携帯叩きつけちゃったー!しまったー! そこまでは、主人公を面接で落とした社長に掌返されやっぱ雇うってなったり、駆けつけた息子がビジュアル系で厚底のブーツでお父さんに近寄るたびに頭にガンガン響く、とかコメディ要素多かったけど、 そっからはもう怒涛の感動で、特にラストの夫人の態度にはかっこいいーと胸が熱くなり観終わった時には頭をガーンとバットで殴られたような、いや、頭に鉄筋が刺さったような衝撃を受けた映画だった。
言の葉の庭
- 制作年:
- 2013年
2013年新海誠監督が手がけた短編アニメーション映画。 雨の日の朝、DKこと男子高校生タカオと年上の女性ユキノが、新宿御苑の東屋で出会って心を通わせていくラブストーリー。 雨の日にだけ会い言葉を少しずつ交わしていく様は、ポツリポツリしていて静かな雨音のようで心地よい。 また映像も素晴らしく目で観る詩って感じで雨の美しさに観ている私の汚い心まで洗われたようだった。(実際洗われてはいない) 主人公たち、雨の日にしか会えないお互いをよく知らない関係っていう距離感がすごくよくて雨宿りっていうのもまた、それぞれの抱える事情を雨と表現しているようで、あれ、これってラブストーリーって言ってるけどラブストーリーじゃないなって思う。 人が前を向くためのお話であり、人と触れ合い人間になっていく。だからといって克服するための押し付けがましさもない。 何かを抱えてる人たち、まあ私もそうだな。疲れたときにはひと休みしてまた出発すりゃいいんだ。 観終わった当時、なにかを期待して雨の日に大量のチョコ持って新宿御苑に行ってみたら、東屋で酔っ払ったおっさん達が集会してた。 すぐ出発した。










