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無害なフリして牙をむく――観た後じわじわくる映画たち

無害なフリして牙をむく――観た後じわじわくる映画たち

一見すると、何の変哲もない、おだやかでどこにでもいるような存在。だが、その奥底には、周囲の予想を遥かに超える“何か”が秘められているかもしれない。今回紹介する2作品『ザ・ベーカー:男の逆襲』と『イノセンツ』は、まさにそんな「見た目に惑わされると痛い目を見る」タイプの物語である。 素性の知れない老人、無垢に見える子ども。彼らを“無害”と判断した時点で、すでに何かが始まっている。その展開は、観る者の予測をかわし、スリルを高めていく。 外見や先入観にとらわれず、真の“中身”を見ることの怖さとおもしろさを味わってほしい。 編集担当:お試し係B

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  • 作成日時:
    2025/08/18 16:45

ザ・ベーカー:男の逆襲

総合評価:2.5制作年:2023年制作国:カナダ再生時間:1時間44分
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突然帰ってきた息子は、孫を預けたまま行方知れずになってしまう。戸惑いつつも、パン職人のパピはその孫・デルフィーを連れ、息子を探す旅に出る。 息子はどうやら、マフィアから“盗ってはいけないもの”を持ち出したらしい。そして当然のように現れる追手たち。だが、パピはただのパン職人ではなかった。 その身ひとつで屈強な敵に立ち向かう姿は、老いた身体に宿る“過去の気配”を感じさせる。動き華麗ではないが、抑えた感情の奥にある爆発力が、逆に恐ろしい。 物語の中で語られるパピの過去は、あくまで彼が見る悪夢の中だけ。彼がなぜこれほど強いのかは気になるが、あえて詳細を語らないことで、観る側は今この瞬間の出来事に集中できる。 そして、もうひとつの大きな軸となるのが、パピと孫・デルフィーの関係性だ。彼女は母を事故で亡くして以降、声を失い、言葉によるコミュニケーションがうまくできない。しかし、ふたりは旅を続ける中で少しずつ距離を縮め、互いに心を寄せ合っていく。その過程がとても自然で愛おしく、戦いや逃避行のスリルの合間に確かなぬくもりを与えてくれる。 結末は決して派手なカタルシスを迎えるわけではないが、悲劇に寄りすぎることもなく、見届けた後にはじんわりとした満足感が残る。

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イノセンツ

総合評価:3.0制作年:2021年制作国:デンマーク、フィンランド、ノルウェー、スウェーデン再生時間:-
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※猫が無慈悲に殺される描写があります。動物への暴力表現が苦手な方にはおすすめしません。 舞台は、どこにでもあるような団地。そこで親しくなった子どもたちが、ある日突然、超能力に目覚めてしまう。 恐れや理性、感情の加減がまだ未熟な彼らが、手にしたのは“万能”ともいえる強大な力。それは希望ではなく、徐々に進行する恐怖の引き金となる。 感情の暴走が力に直結し、怒りや嫉妬が現実を歪めていく。しかもその力は、相手が他人だろうが肉親だろうが関係なく、容赦がない。 相手は超能力者なのだ。逃げ場もなく、誰に話しても信じてもらえないという、孤立無援の恐ろしさがホラー感を増幅させる。 子ども=純真無垢とは限らない。怒りも妬みも残酷さも持っていて。それが制御不能の力と結びついたとき、世界は歪み始める。 その過程を淡々容赦なく見せてくるこの作品は、ただの超能力ものではない。「力」の代償が、こんなにも重く冷たいものだったとは――イノセンツ(無垢)の強さと恐ろしさを同時に味わえる映画だった。

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(C) 2023 Darius-Baker Productions Inc. All Rights Reserved.© 2021 MER FILM, ZENTROPA SWEDEN, SNOWGLOBE, BUFO, LOGICAL PICTURES ©Mer Film

出典
*1 Rakuten TV (https://tv.rakuten.co.jp/content/474459/) 取得日:2026/1/26
*2 Rakuten TV (https://tv.rakuten.co.jp/content/464347/) 取得日:2026/1/26

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