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なぜジョン・ウィックは戦い続けるのか?独自考察!

なぜジョン・ウィックは戦い続けるのか?独自考察!

なぜジョン・ウィックは戦い続けるのか?独自考察! 映画紹介人/お笑いコンビ・ジャガモンド斉藤です。 毎月第4金曜日に“配信で鑑賞できる作品”を1本選んで、あーだこーだ書いていきます。 居酒屋で誰かと喋ってる感じの再現なので、酒のつまみだと思ってお付き合いください〜 今回は8月22日から公開されている新作映画『バレリーナ:The World of John Wick』を記念して『ジョン・ウィック』シリーズについてずっと気になっていることがあって、考えていきたいと思っています。

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  • 作成日時:
    2025/08/22 11:40
    更新日時:
    2025/09/05 16:56

ジョン・ウィック

制作年: 
2015年

※後半で3作目『ジョン・ウィック:パラベラム』と『ジョン・ウィック:コンセクエンス』のネタバレを含みます。 ジョン・ウィックシリーズ(以下、JWシリーズ)全4作を簡潔に一行でまとめるとするならば、どうまとめる? 色々考えたけど、個人的にしっくりきたのはこれ。 「たくさんブチギレちゃって、謝ろうと思ったけど、やっぱり我慢できなくてブチギレちゃった話」 合ってるよね? なんかバカみたいな話に見えるけど、4作品を要約すれば本当にそういう話なんだと思う。だって、あの伝説的名作『マッドマックス 怒りのデス・ロード』でさえも「行って帰ってくる話」と要約できるわけだから、単純明快な娯楽作品は一行で説明できるくらいシンプルな方がいいんだと思う。 でも、果たしてJWシリーズは本当にシンプルなストーリーと言えるのだろうか?個人的には一筋縄ではいかない複雑な物語だと思っている。 本シリーズで重要な“ブチギレる”という要素。 重要視したいのは、なぜそんなにブチギレちゃったのか?もっと言うと、なぜ彼は戦い続けるのか?という点。 2014年の第1作『ジョン・ウィック』が公開された時。彼の戦うモチベーションは“犬と車のために復讐をする男”と、映画ファンの間ではイジリ半分で処理されてしまい、深く言及されなかったように思う。いや、多分どこかで誰かがしてるんだろうけど、自分なりに納得いくように考えながら、書き記していきたい。 どうしてジョン・ウィックは戦い続けるのだろう? なぜそこに言及したいかと言うと、映画を観ていても彼の戦う理由がいまいちピンとこないからだ。娯楽映画としては、本当はピンとこなきゃいけないはずなんだけど、そう単純じゃない。 ジョン・ウィックのモチベーション。それが映画の物語で語られていくべきだと思うんだけど、そもそもJWシリーズは物語よりもアクションを優先する映画だと思う。正確には、1作目はちゃんと物語を語ることに徹していた気がするのだけど、続編が出るたびに、どんどんアクションが物語を侵食していき、いつしか物語は記号化していったように感じる。 ちょっとトム・クルーズのM:Iシリーズの後半の作風にも近いものを感じる。物語より先にやりたいアクションがあって、そのアクションのために物語を後から作っていくという感覚というか。 つまり、なぜ戦うのか?なぜ怒っているのか?というジョン・ウィックの動機はそこまで重要視してないように見える。してるのかもしれないけど、個人的にはそこが掴み切れない。そんなことよりも、戦っていること自体が面白いじゃん!とされているシリーズのような気がする。というか、途中でそうなってしまった。 まだ、1作だけならいけたんだと思う。 ジョンがブチギレた理由も「ついカッとなってしまって……」で済むわけですよ。なぜなら、1時間41分という映画の尺はあっという間の出来事だし、ちんたら説明されても萎える。動機付けはあやふやのまま逃げ切れる。 けれど、話が続くとなるとそうはいかない。 シリーズを追っていると、何のために戦っているのかよくわからなくなってくる。初めて観た時は勢いで持ってかれて興奮してるんだけど、帰り道にふと考えてしまうと……あれ?ってなってしまう。 これは映画のパワーでもあるんだけど、観てる時は気にならない。 極彩色の世界観、身の回りのものを凶器するアクション大喜利、登場人物たちがやたらとキザな台詞を吐き捨てる様を見て「フー!カッコイイ〜!」とか思って楽しいから、ジョン・ウィックの動機なんてどうでもよくなってしまう。で、結果的にはよくわからないまま。 「え?斉藤さん、ちゃんと映画見てないんですか?愛妻が残した犬や愛車や奥さんの生きた記憶のために戦っているんですよ!」 ごめんね。僕には全くピンとこないんだ。 なぜジョン・ウィックは戦い続けるのだろう? まず、1作目から順に整理してみる。 亡き妻から贈られた最後のプレゼントである愛犬デイジーを殺され、愛車である69年式マスタングまでもが若いチンピラに奪われる。これが全ての始まりだった。引退していたジョン・ウィックは殺しの世界にひとときだけ立ち寄ることを決意し、マフィアの組織をあっという間に壊滅させてしまう。 ここで再び隠居生活に戻ればよかったんだけど……。  2作目では誓印と呼ばれる“絶対に破ってはいけない約束事”を破ったことで家を燃やされちゃう。ジョンは逆ギレ!怒りすぎて最終的には、殺人が許されない聖域であるコンチネンタルホテルで人を殺してしまう。ルールを破ったジョン・ウィックは世界中の殺し屋から命を狙われる羽目に……。 ここまではまだわかる。けど、3以降は結構カオスだ。主席連合という権威に逆らい、挙げ句の果てには首長と呼ばれるトップの存在を殺害したり……。もうぐっちゃぐちゃ。笑 よくこんなカッとなりやすい性格で、殺し屋の世界を長年、生きてこれたな、ジョン・ウィック。 なぜジョン・ウィックは戦い続けるのだろう? 今、振り返って考えていたら、その答えは1作目にあると思った。 チンピラによって幸せが壊される前のジョンを思い出してもらいたい。 妻の死の傷は癒されていない。けれど、愛犬を育てながら、地味で質素で平和な暮らしをしているジョン。 そんな彼が愛車のマスタングでだだっ広い空港の滑走路を高速で走るシーンがある。ドリフトをかまし、駐車してあるトラックに向かって「うぁああああああああ!」と叫びながら猛スピードで突進し、ギリギリで停車する。 これは異様なシーンだと思う。 死と暴力にまみれた殺し屋の世界に戻りたいんだろうなと思った。 そうでもしないと、妻の死は振り切れない。 いっそのこと、もう死んだっていいと思っていたんじゃないか? 退屈な日常に踏みとどまれていたのは愛犬のおかげだった。しかし、奪われた。 その瞬間に、ジョンをこの世に繋ぎ止められるものは何も無くなったんだ。 そう考えると、殺しの世界に戻る理由なんてもう何でもよかったんじゃないか? 要は時間の問題だった。平凡な日常でこのまま老いていくくらいなら、元の世界で再び命のやりとりをしたかった……。なぜなら彼は良き夫、良き飼い主である前に、生まれながらの殺し屋だから。 もう自暴自棄ってやつだよね。 そういえば、3作目の『ジョン・ウィック パラベラム』のラストでジョンはホテルの屋上でウィンストンに撃たれ落下するが、死体は忽然と消えた……というくだりがある。これは、1978年のジョン・カーペンター監督の『ハロウィン』のラストと重なる。不気味なマスクを被った殺人鬼マイケル・マイヤーズは主人公のローリーに撃たれ、家の庭に落下するが、死体は見当たらない……。ここで、単なる人間の殺人鬼だと思われていたマイケルが真のブギーマンに成ってしまったわけだけど、ジョン・ウィックにも同じことが起きる。彼も劇中でブギーマンと呼称されているしね。 ジョン・ウィックはホテルから落ちて、一度死んだんだ。そして、人間を襲う“死”(ブギーマン)そのものになった。だから、ひたすら敵を憎み、怒りに狂い、相手を殺すだけの怪物になってしまった。 第4作目『ジョン・ウィック コンセクエンス』のラスト。 怪物は“死”によって解放され、人間に戻り、走馬灯には妻が現れた。 やっとの思いで「安らぎ」の境地にたどり着くことができた。  そういう話ならば、合点がいく。   けど、彼は帰ってくる。 ブギーマンは死なないから。

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Motion Picture Artwork (C)2015 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved. (c) David Lee

出典
*1 Rakuten TV (https://tv.rakuten.co.jp/content/174210/) 取得日:2026/1/26

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