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ニコラス・ケイジ“奇怪作”の魅力

ニコラス・ケイジ“奇怪作”の魅力

ハリウッドの中でも異彩を放つ俳優、それがニコラス・ケイジである。 『天使のくれた時間』では人生の「もしも」を描いた感動のラブストーリーに主演し、『ナショナル・トレジャー』ではトレジャーハンターとして家族向けの冒険譚を成功させ、『ゴースト・ライダー』では悪魔に魂を売ったバイク乗りのヒーローを演じた。こうした大衆的で親しみやすい作品群を通して、彼の名前は世界中に知られることとなった。 だが、彼のキャリアを語るうえで欠かせないのは、観客の予想を大きく裏切る「奇怪作」への果敢な挑戦である。時に狂気すら帯びた熱演は、作品の出来不出来を超えて独特の存在感を放ち、ファンの間では「ケイジ節」として愛されている。 今年の秋には、ニコラス・ケイジ主演の新たなホラー映画『ザ・カーペンターズ・サン(原題)/ The Carpenter's Son』が公開予定だ。すでに解禁されたティザー予告からは、どこか宗教的かつ不穏な空気が漂い、再びケイジが不可思議な役柄で観客を翻弄することは間違いないだろう。 新作『ザ・カーペンターズ・サン』の公開を前に、過去の奇怪作を振り返ることで、改めてニコラス・ケイジという存在の特異性を再確認できるはずだ。 編集者:トゥルーマン翔

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  • 作成日時:
    2025/09/04 14:39

ドリーム・シナリオ

制作年: 
2023年

平凡な大学教授ポール(ニコラス・ケイジ)が、ある日突然世界中の人々の夢に現れるようになる物語である。最初は無害で奇妙な存在として注目され、一躍有名人となるが、夢の中での彼の姿は次第に不穏で恐怖を伴うものへと変化していく。やがて人々は夢の出来事を現実と重ね合わせ、ポールは理不尽な非難と孤立に追い込まれていく。 本作を観てまず思ったのは、「まるで『世にも奇妙な物語』の一編を膨らませたような作品だな」ということである。平凡なおじさんが突然世界中の夢に現れるという設定はとてもユニークで、夢を共有する未来や、夢の中のインフルエンサーというアイデアには、近い未来に実際に起こり得そうな親近感さえ感じた。しかしその一方で、夢の中でのポールの存在がだんだんと不気味さを増し、ついには暴力や性に結びつけられる展開は、笑えると同時に強烈な不快感や恐怖を覚える。 物語が進むにつれ、主人公ポールは「ただただ可哀想なおじさん」へと追い詰められていく。不器用で意地っ張り、少し自意識過剰な面もあるが、だからこそ人間的であり、観客は彼とその家族に感情移入してしまう。次第に夢と現実が絡み合い、レッテルを貼られて孤立していく姿は切なく、ラストには胸が痛んでしまう。 映像面では、手持ちカメラを多用したブレのあるカメラワークが孤独なポールの姿を際立たせ、不安感と緊張感を増幅させていた。ユーモラスさとホラー的な怖さが同居する演出は、『ミッドサマー』や『ヘレディタリー/継承』で知られるアリ・アスター監督らしい不穏なセンスが光っていたと言える。全体としては奇抜なアイデアとケイジの怪演に支えられた、不条理かつ不憫で、静かに恐ろしい作品であった。

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ロングレッグス

制作年: 
2023年

1990年代のオレゴン州を舞台に、新人FBI捜査官リー・ハーカー(マイカ・モンロー)は、過去30年にわたり父親による妻子への惨殺と自殺が繰り返され、一貫して「Longlegs」の署名付き暗号文だけが残された一家連続殺人事件の捜査を任される。怪異な直感力を武器に暗号を解読し、事件の背後に潜む超常的な力と自らの過去との意外な接点に迫ることになる。やがて真相が明らかになるにつれ、恐るべき事態へと彼女は巻き込まれていくのである。 ホラー映画に似つかわしくない感想になってしまうが、とにかく映像と音楽のセンスに圧倒される映画。最初から最後まで、不安を煽るようなライティングや不気味に響く音楽に飲み込まれて、気づけば手を強く握りしめてしまっていた。特に、闇の奥にぼんやりと何かが浮かび上がる瞬間や、手紙がひっそり置かれている場面は、本当に夢の中で悪夢を見ているような感覚を味わえる。広角レンズで覗かれているような画づくりも独特で、単なるホラー以上のアート作品を観ているような気分になった。 そして、やはり忘れられないのはニコラス・ケイジの存在感。白塗りの顔に奇妙な笑い方、不気味な喋り方…画面に現れるたびに「うわ、怖っ」と声が出そうになるくらいの強烈であった。正直、あんなニコラス・ケイジは見たことがない。怪物的でありながら、どこか人間臭さも滲み出ていて、そのギリギリのバランスが恐怖を倍増させていたように思う。 観終わった後もずっと胸の奥に残るような、じっとりとした嫌な感覚が忘れられない。単純に「怖かった!」で終わらず、「あのシーンはどういう意味だったんだろう」と考えたくなる余韻があるのも良い。ホラー好きにはもちろん、普段ホラーを観ない人にもぜひ挑戦してほしい一本。きっとニコラス・ケイジの怪演に圧倒されるだろうし、映像の力強さに酔いしれると思う。

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出典
*1 Rakuten TV (https://tv.rakuten.co.jp/content/508006/) 取得日:2026/1/23
*2 Rakuten TV (https://tv.rakuten.co.jp/content/513329/) 取得日:2026/1/23

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