
敬老の日に観たい、人生の深みが沁みる映画2選――笑って泣ける名作を厳選
9月の第3月曜日は「敬老の日」である。人生の大先輩であるおじいちゃん・おばあちゃんに感謝の気持ちを伝える日として定着しているが、今年はその日をきっかけに、年齢を重ねることの尊さや豊かさについて改めて考えてみてはどうだろうか。 今回はシニア世代が主人公として人生を謳歌する姿を描いた映画を2本ご紹介。いずれも「老い」をテーマにしながらも、ユーモアと温かさ、そして人とのつながりを感じさせてくれる作品である。 共通しているのは、「老い」を受け入れながらもなお前向きに、自分らしく生きようとする姿勢である。敬老の日という節目に、世代を問わず多くの人の心に響く2本の映画をぜひ味わっていただきたい。 編集担当:お試し係B
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- 作成日時:
- 2025/09/11 18:28
はじまりはヒップホップ
- 制作年:
- 2014年
ニュージーランドの小さな島で暮らす高齢者たちが、ヒップホップダンスの大会出場を目指して奮闘する姿を追ったドキュメンタリー作品である。平均年齢80歳超という年齢を感じさせないその活動は、見る者に驚きと元気を与える。 参加者たちはそれぞれ、人生の中で困難な経験を乗り越えてきた。戦争の記憶や、最愛の伴侶との別れなど、積み重ねてきた時間の分だけ、背負ってきたものも多い。それでもなお、彼らは“今”に向かって動いている。 練習はまるで部活動のような雰囲気で、真剣ながらもどこか楽しげである。お互いを支え合い、うまく動かない体に悪戦苦闘しながらも笑い合いながら前進していく姿に、自然とこちらも前向きな気持ちになる。 年齢を重ねてからの新しい挑戦は、想像以上に大変である。体力、柔軟性、覚える力……そのすべてが若い頃とは違う。 それでも彼らは、未知の分野に飛び込み、楽しみながら取り組んでいる。その姿勢はシンプルにかっこよく、見ていて清々しい。 大会本番では、他の参加者や観客である若者たちが、彼らに向けて本気のリスペクトを示している。年齢の壁を越えて交わされる拍手や声援には、素直に心が動かされる。世代を越えたコミュニケーションの理想形の一つかもしれない。 人生において「遅すぎる」ということは、実際問題、体力や健康面を考えればあることにはある。 しかし、彼らがぎごちないながらも精一杯踊る姿に勇気付けられるのも事実だ。自分もまだ何かを始められるかもしれない、そんな気持ちにさせてくれる一本である。
ハッピーエンドの選び方
- 制作年:
- 2014年
老人ホームで穏やかに暮らしていた発明好きのヨヘスケルは、延命治療に苦しむ親友から「もう楽にしてほしい」と頼まれ、最期の選択を自らの手で可能にする装置を発明してしまう。だがその存在が周囲に知られると、同じように自分の意思で終わりを迎えたいと願う人々から、次々と依頼が舞い込むようになる。 一方で、彼の妻レバーナは認知症の進行に悩まされており、自分が自分でなくなっていく感覚に苦しんでいた。 テーマは重たいのに、どこか不思議な明るさがある。登場人物たちはユーモラスで温かく、シリアスな場面のなかにもどこか笑いが混ざっていて、深刻になりすぎないバランスが心地いい。 ただ、その裏にはやはり避けられない「死」や「老い」と向き合うリアルな姿がある。親しい人の最期を見送る場面や、どうにもできない病に向き合う家族の姿には、ふと目を伏せたくなる瞬間もある。 老いや死といった話題を「不謹慎」として避けてしまうと、本当に必要なときに話し合えなくなるのではないか。相手の意思を尊重したいと思っても、意識を失ったり認知症が進行したりすれば、その“意思”すら見えなくなってしまう。 何が幸せか、何が正解かは人によって違う。だからこそ、答えを出すよりも、「話せる」「選べる」状況があることが大事なのだと、この作品はそっと教えてくれる。









