🗨️[偉才]監督・紀里谷和明の超越した映像美
正直DVDを何度も観ている。2004年に『CASSHERN』の映画プロモーションを見たことがきっかけで監督・紀里谷和明に魅了され続けている。そこから紐解くようにTHE BACK HORNや宇多田ヒカルなど著名アーティストのMVを貪り続けた。 『GOEMON』が2009年に公開された時に、個人的な歴史群像好き、信長の野望シリーズ(ゲーム)を愛好、と相まって鑑賞後、DVDも購入しかなりヘヴィに、そして隅から隅まで見たがやはり非の打ちどころがない。 監督が作り上げた世界観、映像美、そしてキャスティングの妙。中でも映像の配色として、背景や影・陰を表現する「深みと奥行きある生々しいブラック」と、キャストを際立たせる衣装や豪華絢爛な建造物などで使用される対極的な「煌びやかなレッド、ゴールドやシルバー」は何度も観たくなる中毒性の1つの理由でもある。 それこそ、たまたま何十回目かの『GOEMON』を観ていた2023年、『世界の終わりから』をもって監督が映画界から離れることを、ふと知った。「映画から離れて気が楽になり、とはいえ揺れ動いている」というインタビューだったが、キャシャーンのように“新造人間”として復活構想をニヤッとしながら企んでいると切に願っている。 ■おすすめしている作品 ①CASSHERN ②GOEMON 編集担当:ピンク・パンダーX
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- 作成日時:
- 2024/06/18 17:01
- 更新日時:
- 2024/06/19 11:01
CASSHERN
- 制作年:
- 2004年
『新造人間キャシャーン』世代ではないが、『CASSHERN』を通してアニメのキャシャーンを知った世代。それでも存分に堪能でき、アニメと比較する必要もない。「新造細胞・人間」というテーマのもとストーリーは展開し、孤独で退廃的な世界観のなか人間の存在価値を映像美とともに絶妙に表現している。監督のアニメへの崇拝も随所に感じられ、デビュー作とは思えないクオリティと豪華キャストも見どころの一つ。
GOEMON
- 制作年:
- 2009年
「本能寺の変」というだけで謎に包まれており、様々な憶測や期待が膨らむが、五右衛門を取り巻く有名武将や癖のある侍たちがそれぞれの思惑を遂行に向けて巧妙に企てていく。織田、徳川、豊臣という時代背景のなか五右衛門扮する江口洋介が豪快に疾走する。時代物好きは自分独自のキャスティングがあるだろうが、監督のキャスティングが巧妙すぎて、どうしても五右衛門は江口洋介、霧隠才蔵は大沢たかお。自分の中ではこれを超えるものがない。