悪魔か?英雄か?巨匠リドリー・スコット監督があばく“ナポレオン”の知られざる一面
2024年2月7日にRエンタメディアで公開された記事の転載です。 【元記事】 https://news.tv.rakuten.co.jp/2024/02/k-napoleon.html ---------------- 「エイリアン」シリーズなどを手がけた巨匠リドリー・スコット監督とアカデミー賞俳優ホアキン・フェニックスがタッグを組んで製作された映画『ナポレオン』。 ナポレオンは、革命の混乱に揺れる18世紀末のフランスで目覚ましい活躍を見せて総司令官に任命。“英雄”として快進撃を続けて、第一統領、皇帝へと登りつめていった。その名は後世にも轟き、日本においても多くの人が知る歴史的人物。「1日に3時間しか睡眠をとらなかった」とか「余の辞書に不可能という文字はない」とか、そうした逸話も多く残されている。 映画『ナポレオン』では、ナポレオン・ボナパルトの活躍を描きつつ、リドリー・スコット監督の独自の視点と解釈で、その人物像に迫る内容になっていて、世界史の教科書に載っているようなパブリックイメージとは違う一面も見えてくる。そもそも、“ナポレオン”ほどの知名度のある人物が、真正面から取り上げられた映画自体がそれほど多くないので、“知らなかった一面”だけでなく、“知ってるつもりで知らなかった一面”も分かる作品にもなっている。 フランス革命で、王妃マリー・アントワネットがギロチンで斬首されるのを、まだ若き軍人だったナポレオンが傍観しているシーンから始まる。痛々しく残酷に感じられるそのシーンから、当時のフランスの情勢がうかがえる。 映像を通してそういうリアリティーのある場面を見せるのもリドリー・スコット監督の得意とすること。この作品において多く描かれている“戦い”のシーンは大きな見どころだと言える。1793年、港町トゥーロンを舞台にした「トゥーロンの戦い」で、王党派を支援するイギリスやスペインなどの軍隊に占領されていた港の砦を、深夜に奇襲を仕掛けて取り戻した。その功績によって、24歳だった砲兵将校ナポレオンがその名を轟かせることとなった。少しビビり気味な表情も見せていたが、最後には自信に満ちた表情も見せ、この戦いがナポレオンにとって大きなものだということが感じられた。 (文=田中隆信)
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- 作成日時:
- 2024/11/15 14:44
ナポレオン
- 制作年:
- 2023年